4：一方通行の矢印が見える ページ5
「Aも来るでしょ？」
「うん行く」
カラオケが終わり、少人数で晩御飯でも、ということになったらしい。
一華に誘われて、一緒に店を出た。
「全員で9人やな」
志谷くんが言う。ここにいるメンバーは、私、一華、志谷くん、シッマ。
それから少し話した程度の、きむ、もっち、鹿川くん。
あと伊織と宇津井くんが合流するらしい。二人が一緒に行動してたとは意外だった。
伊織と一華が、宇津井くんと志谷くんと親しい時点で、私はシッマを避けれる気がしない。
「まぁ9人やし、ファミレスとかが安定ちゃうか？ファミレスならなんでもあるやろ」
「うん、いいと思う」
「先いっとく？シッマ、大先生に電話してや」
「しゃーないな」
電話中のシッマと一華の後ろを歩く。
「うちのクラスさ、イケメン多いよなぁ」
「え、俺？」
「いやちゃうけど」
「オォイ！」
「確かに多いかも」
きむが言って、鹿川くんが乗っかる。
私もきむに同意しておく。
「きむは誰が好みなん？」
そう聞いてみると、
「えーっ、…うつくん。かっこええやん」
と、予想通りの返事があった。
「宇津井ぃ？いやあいつ噂聞いてたらえぐいで」
「でも一回くらい遊ばれてみたくない？」
「俺に聞くな」
「Aちゃんに聞いてんねん！」
きむに見られて、すこし考えて答えた。
「そう言われると…たしかに、女の子ならちょっと憧れるかもしれへんな」
「マジか、Aでも思うんや！？」
また、曖昧に笑って誤魔化した。
・
・
ファミレスにつくと、すでに伊織と宇津井くんがいた。
9人だからテーブルが別れるらしい。
一華に続いてテーブルにつく。一華の正面にシッマが座った。
目が合う。
「ん？」
「……いや、おん、なんでもないで」
またばれてない。
それを喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか、わからなかった。
「もっち、絶対シャオくん狙ってると思わない？」
「あー、たしかに私もちょっと思った」
きむは宇津井くん、もっちは志谷くん。
それを気にする一華も少なからず志谷くんのことが気になっているんだろう。
話題に食いついているシッマを見る。
シッマ本人は、恋愛とかするんだろうか。
彼女の居るシッマは想像できないけど。
イケメンと名高いシッマだから、今までに何人も彼女が居てもおかしくはない。
だからと言って、なんだっていうんだ。
私には関係ない。
ただの幼い頃の初恋なんて、とっくに消え失せているはずでしょう。
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茜(プロフ) - 神作でした…終わり方がとっても好きです…なんでこんなにhit数少ないのか疑問です、もっと多くの人に読んで欲しい！と思いました (2019年11月14日 23時) (
レス) id: d2182e9bad (このIDを非表示/違反報告)
zut（ジット）(プロフ) - 自分は意思があるけど言えないわけじゃなくて、意思が弱いというか何も考えていないというか…私もknさんみたいな人に振り回されたいなぁって思わされるお話でした！楽しく読まさせてもらいました。ありがとう！！違う作品の更新も頑張って！！ (2019年8月1日 12時) (レス) id: a768d99ede (このIDを非表示/違反報告)
zut（ジット）(プロフ) - 完結！！お疲れさまでした！最後の方では、自分の意思をしっかりと伝える所にすごい感動しました。これからもknさんに楽しく振り回されていくんだろうなぁ。 (2019年8月1日 12時) (レス) id: a768d99ede (このIDを非表示/違反報告)
ものくろ*(プロフ) - 完結おめでとうございます！この作品は特にせなちゃんに共感出来る所が多く、コネシマさんがカッコよかったので更新されたら毎度ガッツポーズかましてたような記憶があります笑 残り二人の小説も終わりまで拝読させてもらいます！素敵な作品を有り難うございました！ (2019年7月31日 22時) (レス) id: addff992e8 (このIDを非表示/違反報告)
千白は山に住む(プロフ) - 桜藍さん» コメントありがとうございます！3つ同時は結構無謀だったかなと思っているところです笑 本来の性格ってなかなか変われないですよね……(*´-`) ありがとうございます、頑張ります！ (2019年7月6日 18時) (レス) id: f80b5e4d2a (このIDを非表示/違反報告)
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