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それからというもの、Aは男への執念を胸に1日1日大切にしていた。
五年生になればOWL試験だって控えている、全教科全ていい成績を出して最低限あの両親を見返すとして、Aは並行してフルパウダーの制作に発起した。
なんとしてでもあの暖炉を使えるようにしなければならない。
なぜならあの日記をさらにきちんと読み込むと、ギルバートが休みの間中どこかに移動していたらしい事実が浮かび上がったのだ。
直接的にどこどこにいったという記述はないものの、銀行を管理しているゴブリンが無愛想だったとか、書店で面白い本を見つけただとか、Aの家に行ってまた真新しい本を探すのに時間がかかったとか、とにかく居場所を示唆する場所がいくつも書かれていたのだ。
極め付けは魔法省に出入りしたとはっきりと明記していたこと。
それも魔法省の外ではなくきちんと中につながる暖炉にと。
これはギルバートが正式に魔法省となんらかのつながりを持っていたことを指し示しているのだ。
ギルバートの死を嘆くのをやめたわけではないが、とにかく今は前に進まなければならないという焦りがAを突き動かしていた。
それが自分を騙した男、ノヴァを見返すことにもつながるとAは確信していた。
日も暮れてきた頃、Aは本から視線を外した。
思えばお昼も抜きだったと思いつつ、Aは魔法梟から届けられた日刊預言者新聞を取るために腰をあげた。
ハリーが例のあの人が現れたと言ってから、日刊預言者新聞は何も警告を出していない。
おそらくだが、魔法省が緘口令を出しているのだ。
人伝にコーネリウス・ファッジについては耳にしているため、Aは大方の予想をつけつつ、ばさりと新聞を広げた。
くだらないことしか書いていないが、特に何か大きな問題は起きていないようだと思いながら、新聞を割いて暖炉に放り込み火を焚きこむ。
いくら夏だから言ってもこの部屋は人気がないし、Aには少し寒すぎるくらいだ。
そうして火を焚いてどれくらい経っただろうか、不意にぼこっと暖炉の火が盛り上がったような気がした。
夕食を作る手を止めて、Aは不思議そうに暖炉に近づいた。
中をよくよく伺うとなんとそこには
「シリウス？！」
驚きとまさかの登場でAの声は思いっきり裏返った。
「え、なんでどうして…」
「しー静かにしてくれ、A、そこにいるんだな。」
懐かしいシリウスの声に、Aは思わず言葉を飲み込んだ。
243 The secret talk of the fireplace→←241
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ふふ、ありがとうございます。まだ成長しきれない感じが伝わるように書きました。これからどう変わって行くのか、どうか見守っていただけると助かります。 (2019年9月12日 8時) (
レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 本日、引き続き読ませて頂きました。鷹の寮生らしく孤高で他人に頼らずに主体で好み。鷹の石像と会話をする場面も。 (2019年9月12日 7時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» そうですね、一歩一歩着実に。でも自分の領域は自分なりに守る。そんな考えを残しつつ、主人公が自分のプライドと並行して、何をどう変えて行くのかを伝えられたらと思っていまsy、ありがとうございます。 (2019年9月6日 3時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - まだまだ読み続けているベルモットです。この夢小説は説明文や状況説明など細かく書かれていて、ハリーポッターの世界観が滲み出ていました。鷹の寮生らしく夢主は健気ですね。 (2019年9月5日 23時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - crossmarian4272さん» ありがとうございます！更新頻度が少なく申し訳ないのですが、これからも楽しみしていてください。宜しくお願いします。 (2019年8月9日 21時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｉｒａｉｚａ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年7月29日 22時
