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そう寂しそうに言葉を紡ぐ彼に、Aは少しだけ目線を下に落とした。
どう頑張ってもどうすることができないことがこの世の中にはある。
関係のないところまで思考回路が飛びかけたところで、それで、というルーピンの言葉でAはこちらに戻ってきた。
「僕としてはこのまま君が何も知らずに、自分の自宅に戻ってくれることを期待するんだけど。」
「つまり私は、あの家にはいないほうがいいと？」
「…すまないけどそう言うことになる…」
ひどく申し訳なさそうな顔をするルーピン先生に、Aは思わず深いため息をついた。
どこにも何もいえないこの感情をAは誰にぶつけたらいいのだろうか。
「A？」
名前を呼ばれるがAは今返事をしたくなかった。
なんやかんや言いつつ帰る場所をたらい回しにされて変えさせられるのは嫌なのだ。
「(どうしていつもこうなるんだか…)」
自分の不遇さを自分で呪いつつ、Aはわかりましたと言ってルーピンに頭を下げて強制的に話を終わらせた。
「あ、待ってほしい、あの、伝言を預かっているんだ。」
引き止められた瞬間、振り返ったルーピンの表情。
それは大人が使うときの作った表情でなく、間違いなくAに対して何かを伝えたい表情。
Aは賭けたようになんですか？と尋ね返した。
「あの、もう一人の屋敷しもべ妖精が君のことをひどく心配していたよ。」
「…そうですか。」
空色の瞳が一瞬光ったように見えたが、すぐにその光は消えた。
ルーピンはひどく申し訳なさそうな、辛そうな表情のままAを見送った。
元のコンパートメントに戻ったとき、Aはいるはずの人物が消えていたことで目を見開いた。
「…ノヴァ？」
ハテナマークを脳裏に浮かべ、とりあえずコンパートメントの中を探ると一枚の紙が出てきた。
《すまない。
事情があって、一緒に帰れなくなった。
健闘を祈る。》
端的に記されたその言葉に、Aはムッとした。
たしかにこれから帰る先を伝えてなかったAも悪いが、まさか逃げられるとは思わなかったからだ。
彼からしたら、ブラック家にはいい思い出がない。
第一これから帰る場所だってさっき変わったばかりで、ローレンス・フレッチャーと会う約束はどこに行ったのか。
Aは無神経すぎる片割れに怒りを覚えながら、ふんっと怒ったように腰掛けた。
まあそう怒るなよと、ミーシャの呆れたような声が聞こえた気がして、Aはなおのこと悲しくなった。
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ふふ、ありがとうございます。まだ成長しきれない感じが伝わるように書きました。これからどう変わって行くのか、どうか見守っていただけると助かります。 (2019年9月12日 8時) (
レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 本日、引き続き読ませて頂きました。鷹の寮生らしく孤高で他人に頼らずに主体で好み。鷹の石像と会話をする場面も。 (2019年9月12日 7時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» そうですね、一歩一歩着実に。でも自分の領域は自分なりに守る。そんな考えを残しつつ、主人公が自分のプライドと並行して、何をどう変えて行くのかを伝えられたらと思っていまsy、ありがとうございます。 (2019年9月6日 3時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - まだまだ読み続けているベルモットです。この夢小説は説明文や状況説明など細かく書かれていて、ハリーポッターの世界観が滲み出ていました。鷹の寮生らしく夢主は健気ですね。 (2019年9月5日 23時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - crossmarian4272さん» ありがとうございます！更新頻度が少なく申し訳ないのですが、これからも楽しみしていてください。宜しくお願いします。 (2019年8月9日 21時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｉｒａｉｚａ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年7月29日 22時
