224 The Third Task ページ25
翌日の第三試験に、Aは何か嫌なものを感じながら会場の席に腰を下ろしていた。
選手入場のタイミングに合わせて、ファンファレーが鳴り響く。
Aはごくんと喉を鳴らし、ぎゅっと手を握った。
親友の緊張を感じ取ったのか、傍のローズがにこりと微笑んだ。
「大丈夫よ、A。
何も心配することはないよ。」
落ち着かせようとしてくる親友に、そうねと弱々しく微笑んだAは再び会場に視線を落とした。
目下にはハリーが緊張の面持ちでスタートラインに立っていた。
木々で覆われた中、魔法で張り巡らされたこの空間で彼らは優勝カップを掴んで来なければならないらしい
Aが喉を鳴らしたタイミングで、くるっとハリーが振り返った。
黒髪にグリーンアイズ。
それは昨日のシャドとの会話を思い出させるには十分な出で立ちだ。
ちなみにシャドとハリーは微塵も似ていない。
丸っこいメガネを掛け違えたとしてもきっと彼らは見分けがつくだろう、それくらい彼らの雰囲気は違うのだ。
Aは気がついた視線にそっと手を振り返す。
ハリーもAの視線と応援を感じ取ったのか、にかっと笑ってみせた。
「(味方を増やせ…ね。)」
たしかにこの四年間はなんやかんやいいつつ、シャドやジャック、ミラーもたまにだが支えてくれていた。
だけどこの年が終われば、彼らは卒業してしまう。
まるでアドバイザーのように様々な指摘をくれたシャドの思惑を探ろうと、Aは必死に考えを巡らせていた。
「(まだ不明瞭なことが多いのに、どうして彼はこのタイミングでああも明かしてくれたのかしら。
それにダンブルドアの会話だってそうだわ。
まるで何もかもタイミングを見計らっていたみたい。
準備をしていた感じがするのは気のせいかしら。
手がかりがないなんて言ってしまったけど、あの目は、多分…)」
Aが黒幕が突き止められないと言った時の、シャドはひどくがっかりしたような表情だった。
こういう時彼の癖を知っていれば、もっと見抜けたのだろうか。
「(あなたは何が言いたかったんですか…)」
心の中でそっと問いかけたと同時に、始まりの合図が響き渡った。
Aは拳を強く握りしめて、彼の武運を祈った。
その日の出来事はまるで悪夢のようだった。
四人の選手が茂みに飛び込んで数時間。
ボロボロの姿になって帰ってきたハリーは、死体を一人抱えて、こう叫んだ。
「ヴォルデモート卿が復活した！」
と。
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ふふ、ありがとうございます。まだ成長しきれない感じが伝わるように書きました。これからどう変わって行くのか、どうか見守っていただけると助かります。 (2019年9月12日 8時) (
レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 本日、引き続き読ませて頂きました。鷹の寮生らしく孤高で他人に頼らずに主体で好み。鷹の石像と会話をする場面も。 (2019年9月12日 7時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» そうですね、一歩一歩着実に。でも自分の領域は自分なりに守る。そんな考えを残しつつ、主人公が自分のプライドと並行して、何をどう変えて行くのかを伝えられたらと思っていまsy、ありがとうございます。 (2019年9月6日 3時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - まだまだ読み続けているベルモットです。この夢小説は説明文や状況説明など細かく書かれていて、ハリーポッターの世界観が滲み出ていました。鷹の寮生らしく夢主は健気ですね。 (2019年9月5日 23時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - crossmarian4272さん» ありがとうございます！更新頻度が少なく申し訳ないのですが、これからも楽しみしていてください。宜しくお願いします。 (2019年8月9日 21時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｉｒａｉｚａ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年7月29日 22時
