黒子のバスケ短編集【なんでも編】

黄瀬涼太　　子犬みたいな彼 ページ1

黄瀬「Aっち！Aっち！一緒に帰りましょう！」

『ちょっと待って！いちいち抱きつくな！』

シューン……

子犬みたいにこちらを見てくる黄瀬

本当に子犬みたいだ

うるうるした目でそんなに見ないで欲しいなぁ…

『一緒に帰るから、そんな目で見ないで』

黄瀬「Aっち……！」

そして再び抱きつこうとしたが、笠松先輩が止めてくれた

笠松「いつもでも困らせてんじゃねぇよ！！」

げしっと黄瀬君を蹴り上げる笠松先輩
いつもの光景で見慣れてはいるが
なんか……

『飼い主とペットみたい……』

黄瀬「笠松先輩が飼い主！？絶対嫌っス！！」

笠松「俺も嫌だな、こんな犬いたら即保健所に連れて行く」

黄瀬「酷いっス！！」

笠松「そろそろ帰ってもいいぞ、この駄犬もうるさいしな」

『ありがとうございます。黄瀬君、帰ろう』

黄瀬「はいッス！！」

笠松「……こっちが飼い主だと思うな」




帰り道、もう暗いから黄瀬君は送って行くよといってくれた

黄瀬「……ねぇ、Aっち」

『なに？』

黄瀬「俺のこと、どう思っていますか？」

『駄犬と子犬』

黄瀬「そうじゃなくて！でもそれはそれで酷いっス！」

『じゃどう思っているかって？』

黄瀬「……男として、どう見ているんスか？」

顔を珍しく赤くしながらこちらを見る黄瀬君

こんな黄瀬君、初めてみた…

『……友達、かな』

黄瀬「そっスか…じゃあ俺はその友達を超えたいっス」

友達を超える？
それはどういう意味、と聞く前に
目の前には黄瀬君の顔と唇に柔らかい感触が

『………。………！？』

スッと離れていく黄瀬君

黄瀬「わかったスか？」

顔を真っ赤にしている私に黄瀬君は言葉を続ける

黄瀬「俺はAっちが好きなんです！」

なにか喋りたくても声が出なく

黄瀬「ならもう一度しますか？」

『いいます！』

顔を近づける黄瀬をとめて、深呼吸をしながら返事をした

『よ、よろしくお願いします……』

黄瀬「Aっち……！大好きッス！！」

『ちょ……声でかい！近所の人に聞こえたらどうするの！』

黄瀬「いいじゃないッスか、Aっちは俺のものだーって聞かせるんスよ」

『駄犬、うるさい』

黄瀬「ひどっ！！恋人になった瞬間にそれ！？」

『お手』

黄瀬「はい」

素直に手を出した黄瀬君

もう完璧犬じゃん……！

黄瀬「……あの、Aっち？」

『このまま帰ろうか』

黄瀬「そっスね、手は繋いだままで」

私達は、手を繋いで帰っていった

伊月俊　　ダジャレ告白→

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