星の降る夜には【そらる】

羽が21枚 ページ21

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目を覚ませば、そらるさんの寝顔が目に入った



まぁ、同じ部屋で寝てたら嫌でもそうなるんだけどね。






でもほんと、昔から変わんないな…





あの頃と、何一つ変わらないのに…





「僕が変わっちゃったのかな…」





何も変わらずに僕を受け入れてくれたそらるさんを、自ら突き放すような真似をするのだから





もう、別れの時間までそれほど余裕はない。





ふと窓の外を見てみた。





綺麗な花が咲いている。




この花達も、いつかは大切なものと別れなければならないのだろうか。




何故かその花に惹かれて、家の外へ出てみた。





「これ……彼岸花…？」





淡いピンク色をした彼岸花のような花……





「ネリネ……」






花言葉は


また会う日を楽しみに

幸せな想い出




今の僕にあっているかもしれない。



またいつか、必ずここへ戻ってこよう。


そらるさんを想い出にはしたくない。

いつまでも、それが現実であるように……。





『まふ、ずっと一緒に居てな？』





不意に、そんな声が聴こえた気がした。



分かってる。空耳なんて事くらい。






でも






『お前、いつか独りでどっか行きそうだから、怖いんだよ』







そう言ったそらるさんの優しい笑顔が、頭の中から離れなかった。





今更のように、目の奥が熱くて、胸が苦しくて…




いっそのこと、溶けて無くなってしまえたらなんて。




でもそれじゃ、意味がないから






「自分で…ｯ決めた、でしょ…？」






目から零れてくる涙を拭って、スマホの画面に目を落とす。






もう一つの花言葉＿＿忍耐




これは、どっちにも……かな。



僕も頑張らないとだし。


そらるさんを助けるためにも…。





だから＿＿。






そらるさんへ



今までありがとうございました。


それと、ごめんなさい。


またいつか

僕が生きていたら、会ってください。



真冬









きっと、僕は大丈夫だから。

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