【d!】終末世界 (ページ32)

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私はスッキリした感情で再びクリスタルを破壊し、周りのクリアリングを済ませた。しばらく経っても先程のようにクリスタルを持ったヘスリヒがやってこない為帰宅しようと歩き出した。

「おい！そこの血塗れの女！ちょっと待てや！」

技術盗難を恐れて遥か上空にドローンが飛翔した時だった。男が大声でそう呼び、駆け寄ってくる。私の近くまで来た男は先程までポルーションエリアだった区画に居たとは思えないほど服は汚れてはいない、妙に綺麗な格好をした男だった。

そこまではいい。そこまでは良いのだが、その男はまさかの研究所で出会った最低男だった。

またコイツかよ！！！

私はまたこの男に遭遇したことでイライラしつつも、そんな私の感情を読み取ったのか、精神年齢子供って思えば苛つかない、とナタリーの声がインカムから聞こえてきた。私はその言葉にふぅ、と息を吐いて落ち着く。

一体何の用？と息を吐いても未だイライラが収まらない私を抑えつけ、ニッコリと笑顔で応じる。すると男は慌てた様子で、この前はすまんかった！！と頭を膝に付かんばかりに下げてそう言ってきた。私は男の突然の行動に先程見たヘスリヒのような間抜けな顔をしてしまう。

うん。こりゃあヘスリヒもあんな顔するわ。

そう思って固まっていれば、男の後ろの方にいた別の人間が走り寄ってきた。どうやらこの男のせいで見えていなかったらしい。
しょうがない。だって背が小さいんだもの。

すると駆け寄ってきた男は、シッマ...？なんでそいつに頭下げとんねんや？と頭を下げている男に向かってそう言う。しっま？...あぁ、名前か。

私が1人で勝手に納得していれば寄ってきた男たちが私の格好を見てそれぞれの反応を示す。血塗れなことを指摘してきたり、何故か顔を赤くしたり、目を見開いていたり。

それぞれの反応を見つつも、頭を下げていたしっま？さんに頭を上げてもらう。しっま？さんは申し訳なさそうな表情でこちらを伺っており、私が言葉をかけようとした時だった。