【d!】終末世界 (ページ31)

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さすがは知能型ヘスリヒと言ったところか。
どうやら私がクリスタルを破壊し、帰ろうとしたところに、待機していたヘスリヒが再びクリスタルを設置したようだった。そしてさらに面倒臭いのが、変異型ヘスリヒがまさかの2体、その知能型ヘスリヒを護衛するかのように立っていたのだ。

この状況にくられ先生は変異型ヘスリヒがいるため歓喜していたが、私とナタリーはどちらかと言えば面倒、の一言であった。私は、はぁ、と溜息を1つ付き、ナイフを握り直してヘスリヒへと斬りかかった。

やはり変異型ヘスリヒは図体がでかいだけで、素早さは低く、装甲があるわけでも無い。謂わば力量だけで襲いかかってくる脳筋である。

しかしその代わり、知能型ヘスリヒには頭脳が備わっており、知能型ヘスリヒが指揮することにより、まるで軍隊のように動くのである。全くもって面倒である。

基本私は右手にナイフを、左手に拳銃を持ち、戦う。今回はまず最初に通常型ヘスリヒを斬りながら知能型ヘスリヒの目を潰していく。

勿論変異型ヘスリヒも攻撃はしてくるわけで。私は目を潰し終え、その拳銃を変異型ヘスリヒへと向け、辛うじて残っている顔の目の辺りをバンッと撃ち抜く。

使い始めの頃は撃った時の反動で片手撃ちなんて出来なかった私も、今ではすっかり使い慣れ、AIMも安定している。しっかりと目に命中させ、視界を封じた私はナイフを使って頸を斬る。

ザシュッ...

その音と共に血飛沫が私に降りかかり、真っ赤に染まっていた洋服に青紫色が重なり、混じる。私は顔に掛かった血を袖でグイッと拭い、再び戦う。

『終わりました～』

しばらく戦い続け、意外とあっさり変異型ヘスリヒを倒した。そして、変異型ヘスリヒが倒されたことが予想外だったのか驚きの表情のまま固まっている知能型ヘスリヒや指示が来ない為、めちゃくちゃな行動を起こしている通常型ヘスリヒを即、倒させてもらった。

知能型ヘスリヒは通常型ヘスリヒに比べ、顔の原型がまだ残っているため、非常に滑稽な表情の頭が転がっている。んふwポカンって口を開けたまま固まってるw

そうインカムで報告し、未だ興奮冷めやらぬ様子のくられ先生から帰還許可をもぎ取り、ドローンが渡してくれた湿ったタオルで顔を拭う。

するとタオルにべっとりとヘスリヒの血が付き、申し訳なく思いながらもスッキリしたのでお礼を言ってドローンに渡せばすぐに回収してくれた。全く便利なドローンである。