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思考 ページ35

目が覚めると其所はバーでは無くなっていた。


ただ、何も無い場所。

鉄格子がある訳では無いのだが、地面はコンクリート壁もコンクリートの箱の中に入っているみたいだ。

視線を走らると、扉が一つだけあった。閉まっているが、逃げるなら彼処しか無いな。と思いつつ。

「おはようAちゃん」

目の前に居る太宰を睨めつける。

「何の真似ですか太宰さん。中也君は?」

「此処には私しか居ないよ。君の云うお姉ちゃんも、中也も、此処には居ない」

「っ!」

お姉ちゃん?太宰にそんな話ししてない。

背筋に冷や汗が流れた。

わたしは太宰を睨めつける視線をより強くした。

「そう云えば、あの時太宰さんの他に誰か居ましたよね」


「嗚呼、居たね」

「誰ですか?」

わたしが間髪入れずに尋ねると、太宰は口元を釣り上げて笑った。

「聞いて、後悔しない?」

太宰は試すように云った。

「するかも知れません。

ですがわたしは知りたいです。

教えてください」

とわたしが云うと太宰は呆れ顔で云った。

「本当は、知ってるんでしょ?自分が認めたく無いだけで」


その、通りだ。本当は分かっている。

「図星って顔だね。なら教える必要は無いね」

「………何しに来たんですか?」

「遊戯。私の云う事を聞いてもらいに来た」

良くぞ聞いてくれた。と云うようにあからさまに機嫌良く答えた太宰。

「いいましたね、そんな事。

でも、わたしは未だ負けた心算は無いのですが」

「?此処に居る時点で君の負けでしょ?」

太宰は悪びれも無くそう云った。

「そんなルール知りません。遊戯の内容は先に云ってからです」

「確かに、そうだね。ではもう一度内容を決めてやろう!」

太宰はパンっと手を打って宣言した。

「そうですね。内容は如何しますか?」


「1、トランプ

2、酒の飲み比べ

3、くじ引き

この3つから一つ選び給え!」

トランプ、酒の入ったボトル。割り箸と赤のマジックペン

がわたしの前に置かれた。


どれがいい?

太宰の事だ。恐らくこれで選ぶのを失敗したらわたしに勝ち目はないだろう。


1、トランプ

これは、論外に出すべきだと言えよう。
頭のキレる相手としてはいけない遊戯第一位だ。知らんけど。


2、酒の飲み比べ

これもダメだ。わたしは一杯でガタが来る。
其れに比べ太宰は、如何だ?先刻もごくごく呑んで居たでは無いか。


3、くじ引き

此れは運ゲー。そう思った時点で敵の策に嵌っている。
太宰の事だ。細工は得意だろうし。

遊戯→←夢



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設定タグ:文スト , 中原中也 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:恋愛
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爽斗 - せれな さん» 本当ですか!!ありがとうございます!!頑張ります!! (2021年8月27日 22時) (レス) id: 5b5562e114 (このIDを非表示/違反報告)
せれな - 本当に面白いです これからも応援しています! (2021年8月25日 20時) (レス) id: 6fed7b85b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:爽斗 | 作成日時:2021年7月15日 2時

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