第4話 ANNIHILATION ページ5
「はぁ〜………」
とぼとぼと、上司の部屋から自室へと戻る。
移動ってクビみたいなもんなのかな…俺なんかしたっけな…実践ではなんも出来ないしただ雑用してるだけだし………うん。……わりと納得は出来るな。
そんなことを考えていると、自分の自室まで到着する。ギィっと扉を開けて「ただいまー…」とまだショックから脱しきれていない命霊は死んだような顔で同室者の尚久に声をかけた。
「おかえり〜って…うわっ、なんかあったのか?ひでえ顔してるぞ、お前」
「………ああ、実は…」
そう言い一息つくと尚久に上司から言われたことを話し始めた。
暫く話すと尚久は少し微妙な困ったような顔をしながら口を開いた。
「ふーん、なるほどねぇ。
確かに移動時期よりちょっとはええな。
…………んー…もしかしてだけどさ………それ、
最近噂のANNIHILATIONってとこじゃねぇの?」
「…あの最近あった事件の犯人が作ったCREEDって組織の対抗部隊?」
「そーそー。いやあ最近部署変動とか、結構頻繁に起きてるらしいぜ。そのANNIHILATIONの抜粋とかで。」
「へー……」
そう、軽く相槌をうつ。でもそんな噂があるだけだろう。勿論、俺がそう思わないのも理由がある。
なぜならその部隊は"MP使い"で構成されたいわば戦闘集団と呼んでもほぼ過言では無いからだ。しかも、最近じゃその隊長や副隊長なんかも殺しを安易にするとかしないとか……とにかくいい噂もあんまり聞かない。
そんな所にMPも持ってない、平々凡々な雑用係が行ってもきっと仕方がない。
事実、言ってきた尚久も冗談半分だったようで
「いやあ、流石にねぇかな。」なんて言って話を流した。
「ていうか部署変動の場所とか聞いてねぇの。
部署名とか。」
「…部署名は聞いてないけど場所は書いてある地図となんかのメモ渡されたかな」
「ほら、」と部署の場所を記した地図と
まだ折り畳んだままのメモを手渡すと尚久は「ふーん」と言って返すとおもむろにメモを開いて読む。
暫くすると無言のまま固まって音を立てていそうなくらいギクシャクした動きでこちらに向き直ると口を開いた。
「……お前、次の部署ANNIHILATIONだぞ。」
「…は?」
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作者名:2%@にぱーせんと | 作成日時:2019年10月30日 11時