短編集花 (ページ17)

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hk side
「…ねえ、シカトすんなよ。やっぱあのときの子だよね？」
ちゃかす薮先輩をスルーして、固まってるいのちゃん相手になおも言うチャラい先輩。

「伊野、」
「…っ、知りません。」

流れる変な空気。
いのちゃんの反応が変だ。

「……、、いや、そんなわけねーか、。ごめん忘れて！」
少し焦ったようにとりなすチャラい先輩。
でもまだちょっと複雑な表情だけど…。

この感じもしかして、本当にチャラい先輩は前にいのちゃんと会ってる？
でもそのこといのちゃんは認めたくないのかな…それか、あたし達に知られたくない？

そのままふいっと顔を背けると、レジャーシートを畳み始めるいのちゃん。

え？え？

「もう戻るの？屋上で食べないの？」
「教室で食べよ。」

黙々と片付けながら目も合わせずにそういういのちゃん。
絶対変だ…。

そのまま早足で教室へ戻るいのちゃんを追いかける。

「絶対伊野尾さんだろ…」
なんとも言えない表情をしたチャラい先輩がぽつりと呟いたのは聞こえなかった。