(kz story)...1

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【アヤside】









泣いて、泣いて、少ししたら海の方から声が聞こえた







「アヤ!!」




必死に叫んでいるお姉さまだった





お姉さま！何で…




「アヤ、よく聞いて。アヤが魔女からもらったその薬には声が出なくなるのと人間になることと

もう一つ魔法が入っていたの。




その魔法が





アヤが、王子と結婚しなければ…」




そこでお姉さまが口を閉ざした。



でも、また口を開く。




「アヤが、アヤが、水の泡となって消えてしまうって。」



え…




「でも、アヤ。貴方は王子と結婚できる状態じゃないでしょ？」




お姉さま、どうしてそれを…




「だから魔女に頼み込んだ、私の髪と引き換えにこのナイフをもらったわ。




アヤ、貴方がこのナイフで王子の心臓を刺したら…


そしたら、貴方はまた人魚になって私と一緒に暮らすことができる。




アヤ、辛いことかもしれない。



でも、貴方が助かるにはこの方法しかないの。







お願い、アヤ…」






お姉さまは泣きながらナイフを渡してきた





恐る恐るそのナイフを手に取る





「今日までよ。



アヤ、お願い」





お姉さまはそう言って海の底へ潜って行った








…



ナイフを見る




キラリッと光に反射して光る




とても、怪しく、切なく






私が、消える？

私が、水の泡となる？





…想像ができない






お姉さま…できることならもう一度お姉さまに会ってちゃんと話をしたい




それには、私が消えてしまっては…







私は手に持っていたナイフをもう一度、じっくりと見た









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