(kz story)...1

13-１ *美しき花は* ページ40

「うーん…」



いろいろな服を合わせ、鏡の中の自分を睨む。



服でこんなに悩むなんて…
初デートだからかな…


と思い、“デート”という単語が出てきた瞬間、顔が真っ赤になった。




でも、もう付き合ってるし…この単語が出てもいいよね!
と、自分に言い聞かせる。




窓の外を見れば、木枯らしが吹いていた。



明日…寒いかな。

天気予報でも、そろそろ冬の訪れだって言ってたし。
きっと寒いよね。



そう思って、クローゼットの中にあるコートを見つめなおした。









次の日。


「ん…」


目を開けると、まだ六時。


待ち合わせの時間は、九時だからまだ時間はある。



でも、もう目も覚めてしまっているし、今から眠れそうに無い。


ベッドから出ると、床においてある洋服たち。



昨日、さんざん悩んでやっと決まった!と思ったら時間は零時を今にも過ぎそうな時間で寝たんだ。

でもベッドの中でも興奮で寝れなくて…


やっと寝れたのが、朝の三時。
そして、今日起きたら六時…



大丈夫。と自分に言い聞かせる。



準備をして、鏡の前の自分を見つめる。



白いセーターにベージュのコート、チェックのミニスカートに膝辺りまでのハイソックス。


これに、膝辺りまでのブーツを履く。



どうかな？
と、何回も鏡の中に映っている自分を見る。


そして、リボンのついた少しふわふわのヘアバンドをつけて、リボンのついた手提げ鞄を持つ。



そして思う。


“彼”は、とてもカッコいいからやっぱり目立つかなって。



大丈夫。とまた自分に言い聞かせる。





そして約束の九時。



待ち合わせの公園でベンチに座り待ってた。



そして、少ししたら目の前が真っ暗になった。



え？
驚いたけど、犯人はすぐに分かった。




「翼。やめてよ。」




そう言うとゆっくりと離れていった手。


「あ。やっぱり、ばれた？」
そんな声と共に出てきたのは、私の大好きな彼…翼。



私は急いで立つ。


そして翼を見る。

…。


やっぱり、翼はカッコいい。
私が隣にいたら…と思うと自分が自分で嫌になってきた。



「どうしたの？」
翼が心配そうに顔を覗かせる。

「翼は…すごいカッコいいから。
私が隣にいたらなって。」




翼は少し怒ったように眉を寄せる。

「俺は、アーヤがいい。
その気持ちだけじゃダメなの？」



首を横にふる私。

すると、クスッと笑った翼。


「じゃ、大丈夫だよ。
周りの目なんて気にしなくても。気持ちがあれば、ね。」

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