7-1 *夕暮れにキミと* ページ21
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「はぁ。」
口を開けば出てくるため息。
原因は学校でのこと。
学校では、たまたま翼と話しているのが佐田真理子のゲループの人に見られて佐田真理子に言われた。
翼には迷惑をかけないようにしてるのに…
憂鬱な気持ちで秀明から帰る。
その時、目の前に突然現れた人影。
「わっ…」
あまりにも急で、思わず後ずさる。
「待てよ。」
そう言って私の視界に飛び込んできたのは…若武。
「どう、したの?」
すると、若武がムスッとした顔で私に近づいてきた。
え?
するといきなり私の腕を引っ張った。
「あ、ちょ!
若武!!」
慌てて私の足を動かす。
「いいから、来い。」
若武の声がする。
でも顔は前を向いているからどんな表情をしているかは分からない。
…。
そして、疲れが出始めた時、若武の足が止まった。
「見ろよ。」
そう言って若武が私の前から隣に来た。
「わぁ…」
そこは、高台。
この地域で一番高い場所で、景色が見えるらしい。
でも私は一回も来たことは無かった。
「な、綺麗だろ。」
若武が満足そうな顔で聞いてくる。
その問いかけに私は頭を何回も縦に振る。
だって、丁度夕暮れで空はオレンジ色に染まっていて端には月もあった。
「お前に、これを見せたかったんだ。」
若武の顔が視界の端に見える。
「うん!
すごい、綺麗だね!」
月の形は丁度半分。
たしか名前は…
「上弦の月。」
若武が横から言ってきた。
「知ってるか?
この形の月って半月としか知らない人もいるけどさ。」
私は若武に笑顔で振り向く。
「ありがとう!
すごい綺麗な景色だね。」
すると若武は少し微笑む。
「やっぱ、お前には笑顔が一番似合うよ。」
「え?」
びっくりして若武を見る。
「さっき、アーヤ浮かない顔してただろ。
笑顔のアーヤの方がかわいいのに。」
その言葉に、カァッと顔が赤くなるのが分かる。
「お前、落ち込んだ時には俺を思い出せ。
kzを思い出せ。
そうしたら、いつの間にか笑ってるから。」
若武の勢いに思わず笑ってしまう。
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菊香(プロフ) - にーなさん» 遅れてごめんなさい!本当そうです!翼が出るか出るかと心待ちにしていたのに…残念でした…… (2017年10月18日 22時) (レス) id: aea442a5e9 (このIDを非表示/違反報告)
にーな - アニメに翼が出なかったのはショックですね(T-T) (2017年8月30日 17時) (レス) id: 839e9aa7fd (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - 美桜♪ さん» そ、そうかな?ありがと~♪美桜は、誰押し? (2016年3月26日 9時) (レス) id: 52fa666800 (このIDを非表示/違反報告)
美桜♪ - 菊香さん» いやいや…菊香でしょ!断然! (2016年3月23日 17時) (レス) id: 59f27b1e9c (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - 美桜♪ さん» 美桜(♪抜かして呼んでも、大丈夫?)の作品も、読んでるよ〜!いや、私のと比べたら、美桜の作品が上手すぎて… (2016年3月23日 13時) (レス) id: aea442a5e9 (このIDを非表示/違反報告)
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