(kz story)...1

２-１ *声を失った姫* ページ3

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透き通るような海の底



優しいお姉さまと可愛い魚達



とても幸せだけど、何処か物足りなかったの




お姉さまの話していた陸の世界(未知のセカイ)




その場所にとても興味をそそらせて





誕生日をこれまで待ち遠しく思っていた日があったのか




ついに海の中だけではない他の世界に行ける日







期待を胸に上へ、上へと泳いでいく









突然起こった嵐






私が急いで海の底へと潜っていったその時





一人の男性が眠るように海の底へと沈んでいた






私が急いで男性へと泳いでいった時に男性の顔を見て衝撃を受けた





私はあまり男性と触れ合う機会が無かったからか、その男性を見たとき率直で




「綺麗な人だな」



と思った





白いボブの髪、女の子のような長い睫、少し甘みのある唇




こんな綺麗な人が陸の世界では存在するなんて






助けてあげないと






私は男性を抱えて陸へ、陸へと運ぶ







陸へとつくともう、嵐は収まっていてその男性を地面に横にそっと寝かした





海の中にいたせいか、男性の頬は白く大丈夫かな？と思ってしまうほど





でも徐々に赤みを取り戻していって頬は桃色に染まっていた




海の中でも思ったけど陸で見るとやっぱり綺麗な人




思わずジッと見てしまっていると男性が目を少し開いた




それを見て私は急いで海の中へともぐる



人間に姿を見られてはならない




それは必ず守らなくてはいけないこと







少し顔を出していると男性の元に何人かの人がやってきて男性を運んでくれた




良かった





私は心からホッとした






その日は陸へとは上がらなかった







でも海の中にいるのに今日の出来事が頭から離れない




少し目を開けたあの男性





その瞳はとても澄んでいて青に見えそうなほど




男性のことを考えるだけで顔が真っ赤になった





お姉さまに相談すると



「それは、恋ね。アヤ。」




恋？



まさか!?


「でもいい？アヤ。よく聞いてね、人間に私達人魚の姿は見せれないの。叔母様にも言われたでしょ？」


うん


私は頷いた




「だから、まして人間に恋をするなんてダメよ。諦めなさい。」




分かってる…そのことは





でも！



「私、人魚だから諦めなくちゃいけないんでしょ？私、人魚なんかやめて人間になるわ。

それだったらいいんでしょ？お姉さま。」


お姉さまは呆れたようにため息をついた









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