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私も、隣に座る。
…。
何も話さない。
何も喋らない。
沈黙の中でもただ雨の音だけが聞こえた。
「す、すごい雨だね。」
沈黙に耐え切れなくて、話しかける。
「あぁ。」
そう上杉くんが言った時、雷が鳴った。
「きゃっ!」
思わず悲鳴を上げる。
そして、パチッと部屋の電気が消えた。
「え?」
外も暗くなってたから周りは真っ暗。
「停電か…」
冷静に呟く上杉くんとは違って私はいきなりの停電に慌てていた。
「上杉くん何処!?」
暗闇の中、上杉くんを探す。
「あまり動くな。」
上杉くんが言った時、手が何かに触れた。
触ると、そのものからぬくもりが伝わってきた。
上杉くんの手?
そして、二度目の雷。
「きゃあ!!」
思わず、手があった方に向かう。
そして、だんだんと上杉くんが分かってきた。
また雷が鳴る。
でも今までの雷とは違う、とても大きい音でなるから怖くなった。
「きゃっ!!!!」
上杉くんだと思うものにしがみつく。
「なっ、立花っ。」
上から聞こえる声に反応しないでギュッとしがみつく。
伝わってくる体温に不思議とさっきの怖さが無くなった。
しばらくそのままでいると、パチッとまた音がして電気が点いた。
顔を上げると視界に入る上杉くんの顔。
思ってたよりも近い距離に顔が熱くなる。
…。
少しの沈黙の後、慌てて上杉くんから離れる。
「あ、ごめん…」
上杉くんを見ると、顔から火が出るようになっていた。
「何でもねぇ…。」
いつもと違う上杉くんの様子に笑っちゃう。
「んだよ。」
不機嫌そうな上杉くんに思わず目をそらしてしまう。
なんとなく、窓を見る。
「え…
雨がやんでる。」
見たら、さっきの雷は嘘のように晴れていたんだ。
「んだよ。この天気…」
上杉くんも窓に近寄る。
「あ!虹!」
なんとなく上の方を見ると、虹がかかっていた。
しかも、三日月も一緒に出てて、とても綺麗だったんだ。
上杉くんも黙って目を細める。
あ!そういえば!
私は、あるおまじないを思い出した。
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菊香(プロフ) - にーなさん» 遅れてごめんなさい!本当そうです!翼が出るか出るかと心待ちにしていたのに…残念でした…… (2017年10月18日 22時) (レス) id: aea442a5e9 (このIDを非表示/違反報告)
にーな - アニメに翼が出なかったのはショックですね(T-T) (2017年8月30日 17時) (レス) id: 839e9aa7fd (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - 美桜♪ さん» そ、そうかな?ありがと~♪美桜は、誰押し? (2016年3月26日 9時) (レス) id: 52fa666800 (このIDを非表示/違反報告)
美桜♪ - 菊香さん» いやいや…菊香でしょ!断然! (2016年3月23日 17時) (レス) id: 59f27b1e9c (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - 美桜♪ さん» 美桜(♪抜かして呼んでも、大丈夫?)の作品も、読んでるよ〜!いや、私のと比べたら、美桜の作品が上手すぎて… (2016年3月23日 13時) (レス) id: aea442a5e9 (このIDを非表示/違反報告)
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