ニセモノはお前だ*67 ページ27
鏡に見えていた影、それは、
「みんなっ！！！！」
ホンモノの彼らだった。
やっとホンモノの彼らに会えた。その思いから涙が溢れる。
その時、時が止まっていたように動きを止めていた鏡の向こうの世界＿ホンモノの世界の彼らが動き始めた。
『………なんも、起きてねぇな』
「うらた……」
私がこっちの世界に来てしまった瞬間からずっと時が止まっていたんだろう。
それぞれが不安げにきょろきょろと辺りを見回す。
『なんやったんやろうね、ほんま怖いわぁ……』
「センラ、」
その瞳には光がちゃんと見えた。
『無駄に冷や汗かいたんやけど……なんやったんまじで』
「……志麻、」
その志麻の顔にはホッとしたような表情が見える。
そして、動いた赤い頭。
『うわ、超怖かった………』
「っ、坂田！！」
間違いない。ホンモノの彼。
その声も、表情も、全部全部ホンモノだ。
けれど、次の瞬間その涙も全て止まってしまった。
『大丈夫だったか、A』
「………え？」
うらたは誰に向かって今の言葉を言ったんだろう。
私はここにいるのに。まだこっちの世界に囚われているのに。
そして見えた姿に体が固まった。
『……うん、大丈夫。ありがとうね、うらた』
＿＿＿＿誰。
私の姿をして、うらたに笑顔を見せるあいつは誰。
私はここにいる。ホンモノの私はここにいるのに。
思わずドンドンと鏡を両手で叩く。
「ねぇ！！！！私はここ！！！ここにいる！！！！」
『あ、手……』
『手ありがと、安心できた』
『ん、そっか。なら良かった』
「う、うらたぁぁ！！！！！」
うらたが今、笑いかけているのは私じゃない。
私に化けたニセモノ。
『んじゃ、もう怖いしさっさと帰ろうや』
「志麻！！！！！！！」
なんで、気づかないの。
『そうやな、日も暮れてきたし』
「センラ！！！！！！！」
どうして、誰もこっちを見てくれないの。
『パフェはよ食べようや！』
「坂田！！！ねぇ、坂田ぁぁあ！！！！！！」
全員私を見てくれない。
待って、行かないで。私はまだここにいる。
ドンドンと鏡を叩いても、どれだけ叫んでも、届かない。振り向いてくれない。
『元はと言えば坂田のせいなんだからな』
『そうや。奢ってもらわんと』
『えっっ、それマジで言ってたん！？』
『しゃーないなぁ、今回は許したるよ』
嫌だ、待って、置いていかないで。
ねぇ、みんな
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菊香(プロフ) - Reigaさん» 返信遅れて申し訳ございません（ ; ; ）初のホラーに挑戦してみたのでそう言っていただけると嬉しいです〜！読んでいただきありがとうございました* (2021年6月14日 21時) (
レス) id: eddd78d9f3 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - 恋羽音さん» 返信遅れてしまい申し訳ございません（ ; ; ）たくさん考えて読んでくださり嬉しい限りです！個人的に頑張って考えたお話だったのでそう言っていただけるとありがたいです(^^)読んでいただきありがとうございました* (2021年6月14日 21時) (レス) id: eddd78d9f3 (このIDを非表示/違反報告)
Reiga - スッッッゴイコワカッタ、、、面白かったです (2021年5月25日 22時) (レス) id: de484b603d (このIDを非表示/違反報告)
恋羽音 - 今更ですが、最初から一気に読ませて頂きました。伏線の敷き方がとても上手で、とても面白い作品でした！途中、「urtさんか？…smさんかも…」と悩んでいたのですが、ラストに全てひっくり返されました！鏡の世界のニセモノ、ホンモノというのがとても良かったです！ (2021年3月30日 18時) (レス) id: 018cf43ff1 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - みほろさん» 半年遅れての返信本当に申し訳ございません（ ; ; ）たくさんの嬉しい言葉、ありがとうございます！とっても嬉しい限りです(*´艸`*)読んで頂きありがとうございました* (2020年12月28日 21時) (レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
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