ニセモノを探せ*4 ページ5
坂田に対しての違和感ではない。
校門に一歩足を踏み入れた途端、ぐにゃりと空気が歪んだような感じがしたのだ。
今はもう収まったけれど、あれは一体何だったのだろう。
ちょうど傍にいたうらたに「ねえ」と肩を叩いた。
「なんかさ、その、変な感じしない？」
「……変な感じ？」
「そう。なんか、空気が歪んだ、みたいな」
「んー、俺は特に感じなかったけど。変な感じすんの？」
頷くけれど、心は少し落ち込んでいた。
気のせいだったのだろうか。
いや、けれど背中に垂れた冷や汗は本物だ。
嫌な予感が私を襲って、思わず身震いした。
その時、手をギュッと握られた。
「えっ」
「…怖いんだろ。俺は何も感じないけど、こうやって手握ってやるから」
更に力のこもった手にうらたの体温を感じで心なしか少し安心する。
ありがたく手を握りながら、4人で先に学校に入った坂田をのんびりと歩いて追う。
きっと坂田の走っていった方向からして教室に向かったのだろうと予想した私たちは教室へと向かった。
その間も違和感は抜けない。
思わずグッと握ってしまう手に、うらたは何も言わず握り返してくれた。
その優しさがありがたい。
階段を上がり、坂田のクラスに着いたけれど坂田の姿はなかった。
「あれ、坂田どこ行ったんやろ」
センラの声に頷きながら辺りを見回すけど、それらしい姿は見えない。
志麻が坂田の席に行き、机の中をあさるとレポートの紙が出てきた。
「ここにあんのに…どこに行ったんだあいつ」
本当、どこに行ったんだろう。
まさかこれがさっき感じた嫌な予感、なのだろうか。
それなら、坂田は今どこに。
うらたが私と手を繋いだまま教室から出て廊下へ行った。
そして、何をするのかと思いきや叫んだ。そう、叫んだのだ。
「坂田ー！！！返事しろ！！さーかーたー！！！！」
横にいる私は思わず「わっ」と声が出てしまった。
うらたは元々声が大きいのに本気を出すと凄まじい声量になる。
と、その時だった。
「ごめん！！俺ここ！！！」
声と共にひょこっと奥の階段のところから坂田が顔を出した。
思わずホッとする。良かった。嫌な予感は外れたようだ。
他の3人も気持ちは一緒だったようで皆ホッとした表情になっている。
「坂田お前、レポートここにあんじゃねぇか。なんでそっち行ってんの？」
少し笑い気味で言ううらたに私たちも思わず笑みを浮かべ平和な空気が漂う空間になった中、坂田は真剣な顔でこちらを見た。
「ねえ、ちょっとこっち来て。なんかおかしいねん」
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菊香(プロフ) - 白雨さん» わ！はくちゃんありがとう〜！！めちゃめちゃ嬉しいです…そんなこと言ってくれて光栄ですありがとう(;;)更新のペース上げれたらな、と頑張るのでこれからもお付き合いください* (2019年9月26日 5時) (
レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - コメント失礼します〜！ 菊ちゃんの作品の中で1番好きな作品がこの『ニセモノを探せ。』なんだけど、やっぱり考察も入るから一つ一つの表現と言葉が印象に残るし、文もまとめられてるからすっと頭に入ってきて凄く読みやすかったです！更新待ってます……！！ (2019年9月26日 0時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - 乃都さん» わわっ、ありがとうございます！とても嬉しいです…励みになります(;;)これからもお付き合い頂けると幸いです〜！ (2019年9月25日 21時) (レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
乃都 - 分かりやすい表現で､メンバー一人一人の性格や口調も掴めていながら読めば読むほど推理や推測も出来私などでは､表し用の無い程素晴らしい作品です。こんな素敵な作品を見せて頂きますありがとうございます。 (2019年9月25日 17時) (レス) id: ddd9224e3c (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - イチさん» うふふ( *´艸`)更新がんばりますね！ (2019年8月18日 17時) (レス) id: 2f8e2c41d8 (このIDを非表示/違反報告)
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