ニセモノを探せ*5 ページ6
いつもおちゃらけた感じの坂田が珍しく真剣に言うから、何かあったのだろうと平和な空気が一変した。
皆で目線を合わせ、頷き坂田の元へと向かった。
この学校には階段が計3つある。
生徒が多く利用する階段＿私たちは生徒階段と呼んでいる＿これが今私たちが登ってきた階段だ。
職員室と近い場所にあるため先生が多く利用する階段＿私たちは教師階段と呼んでいる＿これは今いる場所と正反対の場所にある。
そしてもう一つは学校の奥にあり階段の周りも空き教室ばかりなので生徒も先生もあまり使わない階段＿私たちは東階段と呼んでいる＿今坂田がいてそして私たちが向かおうとしている階段だ。
さっき言った通り人もあまり使用せず、よくある学校の怪談に使われるような場所に生徒たちの間ではなっている。
夜にこの世のものではないものが現れるだの、そこの階段についている大きな鏡はこの世とあの世を繋ぐ役割をしているだの、生徒の間に広まっている噂は結構ある。
非現実的なものを信じていない私にとってはただの階段なので、普段学校生活を送るうえで特に気にせず使ってきたことは多々ある。
けれど今は別だ。
私が変に感じた悪い予感と、坂田の言う『なんかおかしい』という言葉。
そしていつも出回っている悪い噂に私はうらたの手をもっと強く握り、坂田の元へと歩いているのである。
そうして坂田の元へ到着し階段の様子を見るけれど変わったところはない。
ホッとして肩の力が少し抜けた。
「どっかおかしいところ、ある？俺にはわからないんやけど」
センラの言葉に頷いた坂田は少し歩き、踊り場についている大きな階段を指さした。
「ほらこれ、なんか鏡の中が歪んで見えへん？」
私たちは鏡を覗き込むけれど、特に変わった様子は見えない。
けれど、坂田の言う“歪んだ”に私の感じた歪んだ空気が関係しているのだろうか。
センラが「あれ、」と呟いた。
「今日って完全下校の日やったっけ？」
「いや、全然そんなのじゃなかったはずやけど」
志麻の言葉に私も頷く。
今日は特にいつもと変わらない日だ。
ただ私の所属する美術部は活動は無いけれど。
「変やと思わない？」
「何が？……って、あ」
志麻もセンラの言おうとしていることがわかったらしく、眉をひそめてセンラと頷きあった。
待って、私何も理解していないんだけど。
「普通やったら外から運動部の声とか吹奏楽部の演奏の音とかするはずやん？なのに、なんでこんなに音せえへんのやろ」
センラの言葉にシンっとなる私たち。
学校からは不気味なほどなんの音もしなかった。
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菊香(プロフ) - 白雨さん» わ！はくちゃんありがとう〜！！めちゃめちゃ嬉しいです…そんなこと言ってくれて光栄ですありがとう(;;)更新のペース上げれたらな、と頑張るのでこれからもお付き合いください* (2019年9月26日 5時) (
レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - コメント失礼します〜！ 菊ちゃんの作品の中で1番好きな作品がこの『ニセモノを探せ。』なんだけど、やっぱり考察も入るから一つ一つの表現と言葉が印象に残るし、文もまとめられてるからすっと頭に入ってきて凄く読みやすかったです！更新待ってます……！！ (2019年9月26日 0時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - 乃都さん» わわっ、ありがとうございます！とても嬉しいです…励みになります(;;)これからもお付き合い頂けると幸いです〜！ (2019年9月25日 21時) (レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
乃都 - 分かりやすい表現で､メンバー一人一人の性格や口調も掴めていながら読めば読むほど推理や推測も出来私などでは､表し用の無い程素晴らしい作品です。こんな素敵な作品を見せて頂きますありがとうございます。 (2019年9月25日 17時) (レス) id: ddd9224e3c (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - イチさん» うふふ( *´艸`)更新がんばりますね！ (2019年8月18日 17時) (レス) id: 2f8e2c41d8 (このIDを非表示/違反報告)
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