昔、隣の席だった君。 2 【skt】

となり*53 ページ11

「え、このツイート……」



スマホを開いてツイッターを開くと、数時間前に投稿されたうらさんのツイートを見つける。


[昨日のイベントありがとうございましたー！(*^^*)
そして私は北海道に住んでいる友人とお昼タイム！！！！
めっっっっちゃ美味そう]
そんなツイートと共にスープカレーの写真が載せられていたそのツイート。



北海道の友人…そこから考えられる人はあの子しかいなくて。
どうしてだか気になってしまい、うらさんにメールを送った。





[北海道に住んでいる友人って、瀬川さんのことですか？]


すぐについた既読。




[そうだよ、たまたま会った]



疑惑が確信に変わり、ひどく嫌な気持ちになった。




[２人で出かけてるんですか？]



[うん]



それ以上返信をせず、俺は１人家の中ソファの背もたれに身を任せて目を瞑る。





………何かが気に入らない。

けれどその感情を具体的な言葉には表すことができなくて、「うーん」と唸っていた。






瀬川さんとは、中学の時の同級生だった。
目立つタイプではないけれど優しくて皆からも好かれていたと思う。


そして、その当時の俺はそんな彼女の笑顔を見るのが好きだった。
瀬川さんはよく笑う。

それも心からの本心で、嘘偽りの無い純粋な笑顔を見せるんだ。


友達として普通に好きだったし、最後の席で彼女の隣になれて嬉しかったのも事実。




けれど、中学と同時に北海道に引っ越してしまった彼女とはそれ以降連絡する事もなかった。
連絡先は知っていたけれど、連絡する用も無いしする必要性も感じなかったから。







歌い手を始めて慌しい日々を送っていた俺は彼女の事を忘れかけていた。
あの時までは。

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