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となり*31 ページ31

「え……。」

まさかのものに、動きが止まる。


それは、私がさかたんにあげた熊のキーホルダーと同じ種類のもの。



「それ見たとき、瀬川さんみたいやなって。」

私みたい?
キョトンとする私にさかたんが、私の髪についているリボンを指差す。


「おんなじ。」

目をくしゃっとして笑ったさかたん。

そうだ、私のリボンは赤だった……。



私のことを思って買ってくれたんだなと思うと、視界が潤んでくる。
ここで、泣いたらダメだ。

そんな気持ちを悟られぬよう、私はさかたんに微笑んだ。


「ありがとう!すごい、嬉しい。大切にするね。」


数回瞬きをして、さかたんはにっこりと笑った。




「こちらこそ、まさかもらえると思ってなかった。すげぇ嬉しい!ありがとう!」


そのまま2人で顔を見合わせて笑った。



笑いながら、思った。


この時がずっと続けばいいのに って。




それぞれあのキーホルダーは、私は鞄に さかたんはスマホケースの穴に通してつけた。


なんだか、おそろいのものが出来たみたい。
そう思って一人、にやけてしまう。

ダメだ、にやけを抑えろ私。




そこからは、ゲームセンターに行って対決したり クレープ屋さんでクレープを食べたり…とほんわかとした楽しい時間を過ごした。


「疲れたなぁ。」

そう言って、近くの椅子に腰を下ろしたさかたん。

私もその横に座る。


「だね…。」


ずいぶんと今日は歩いた。
足はパンパン。きっと明日の筋肉痛は回避できないだろう。

うぅ、常に運動しておけば良かった……。



「瀬川さん、」

さかたんにふと声をかけられ、さかたんの方を見る。
さかたんの手にはスマホ。そこには、熊のキーホルダーが揺れている。


「記念に、一緒に自撮りせえへん?」

その言葉が嬉しくて、大きく頷く。



はいちーず と言う声と共に撮られた写真。
チャットアプリで送られてきた写真を見て、微笑む。


まさか、あのさかたんと写真が撮れるなんて……。


数ヶ月前の私には、考えもしなかったことだろう。



と、その時、


「わり、ちょっと遅れた。」

という声がした。



その声に、私はひどく聞き覚えがあったのだ。



もしや、これは………。

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菊香(プロフ) - サラさん» ありがとうございます!早速お邪魔しますね(^^) (2018年2月1日 20時) (レス) id: aea442a5e9 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 菊香さん» 大丈夫ですよ!お待ちしております! (2018年2月1日 7時) (レス) id: 26a9623291 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - サラさん» まじですか!!ボード行っても大丈夫でしょうか? (2018年1月31日 11時) (レス) id: aea442a5e9 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - うしさせの春ツ北海道参戦します! (2018年1月31日 5時) (レス) id: 26a9623291 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - ちーちゃんさん» ぴゃああああ(( (2018年1月30日 23時) (レス) id: aea442a5e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菊香 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年11月16日 23時

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