あ の ね 、【黄瀬涼太】

sweet nothings - - 16 ページ17

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いつも君には敵わないや。






「 バカ 、バカ 、バカ。」

「 さっきからそれしか言ってないっスよ･･･。」






握る手から足先まで 、

もう寒くも何ともなかった。






「 人が見てたらどうするの！ 」

「 そ 、それは･･･。」






その熱と同じくらい

私は羞恥心でいっぱいになった。






誰もいない道でも 、たとえ薄暗くても

偶然にも誰か通ったら 、と

考えたら―――






「 ･･････っ!! 」






きっと今の私は

林檎以上に紅いと思う。






「 Aっち 、また真っ赤。」

「 涼太君のせいです。」






ぎゅ 、と握れば

同じ様に握り返される。






これがいつからか当たり前になって

君無しじゃダメになりそう。






「 嫌だったっスか･･･？ 」

「 え？ 」

「 ･････キス。」






君は何度私を林檎色に染めるのかな。

そして君は本当に意地悪。

返す答えなんて決まっているのに。






「 ････嫌 、では･･･ないデス。」






やっぱり 、まだ君には敵わない。






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