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Aがそっと席を立ってカミュの向かった方を見ると。
先ほどの大人数のグループがソファに座って話していた。
しかし楽しげな様子では無く、どこかギスギスした雰囲気が漂っている。彼女は興味がわき、カミュの元へ向かった。
Aの行動に嶺二、蘭丸、藍がやや驚いていたとはしらず。
『素っ気ない態度をしていたのは、興味が無かったからか』と。
「カミュ」
階下を見下ろすカミュと一定の距離を置き、呼びかける。
席についたときにした自己紹介で、呼び捨てしたことに何も言われなかったため、それを続ける事にしたのだ。
「なんだ、貴様か」
カミュが応えたカミュの視線の先にはあの8人がいる。
Aも下を見ながら話す。
「まさか、ここから挨拶するの?」
「ああ。……まあ、それは初めだけだ」
カミュの説明にいまいち理解出来なかった彼女は視線をカミュに向ける。
「分からぬのか? 俺は高貴な伯爵だからな。
貴様のような愚民では予測出来ぬのは仕方無いか」
彼の物言いに苛立ちを覚えながら、伯爵……、とAが反復する。
「信じておらぬな。まあよい。
特別に、ここから俺を見ることを許してやろう。
俺の素晴らしき姿、その目に焼き付けるが___」
「___MY PRINCESS ハルカ!」
ちょうど、カミュの台詞に下の階の声が被る。
彼は整った顔の眉間にシワを寄せ、
「愚民ごときが……」
と地獄から聞こえてきたかと思うほど低い声で呟いた。
それに流石のAも少し肩を震わせた。
カミュは気持ちを抑えるように呼吸し、口を開いた。
「アイドルたるもの、堂々と愛を囁くなど言語道断ッ!」
そう叫ぶように言い、タンッと軽やかに飛び降りる。
Aは驚いた顔でカミュの行動を目で追う。
確かに二階から飛び降りる、なんて芸当はなかなか出来るものじゃない。伯爵……、は分からないけど見直した。
カミュは下の階に静かに着地すると、すうっと氷の上を滑るようにして進んでゆく。
カミュの周りに降っている雪は一体どこから来ているんだろう?
第一、床ってあんなに綺麗に滑れるものなの?
様々な疑問を抱えながら、Aはカミュの決めポーズを見届ける。
そんな自己紹介が終わり、黒人らしき男性がアイドルや先輩を否定したり拒否したりと問題が起こっていたのだが、上階にいる四人には伝わらない。
しまいにはカミュを怒らせてしまったセシルにアイドルというものを
教えるためと、皆寮を出されてしまった。
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十六夜星夜(プロフ) - 言音さん» ありがとうございます! 今直しました。 (2015年10月28日 21時) (レス) id: 03b61e41c3 (このIDを非表示/違反報告)
言音(プロフ) - 続き楽しみにしています。あのー、すみません、32話ならなくてが、なりにくてになっているみたいです (2015年10月28日 21時) (携帯から) (レス) id: 2111e957d4 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜星夜(プロフ) - 言音さん» 登録ありがとうございます! 今直しました。確かにその方が違和感がありませんね。ご指摘ありがとうございました! (2015年10月3日 11時) (レス) id: 97a18e3294 (このIDを非表示/違反報告)
言音(プロフ) - お気に入り登録させていただきました。続き楽しみにしています。あのー、文章なのですが、うかがってありますではなく、うかがっていますの方がいいと思います。突然すみません… (2015年10月3日 11時) (携帯から) (レス) id: 2111e957d4 (このIDを非表示/違反報告)
なまけ(プロフ) - 十六夜星夜さん» うん!!頑張って!!更新楽しみにしてまーすd(´▽`) (2015年9月30日 20時) (レス) id: a890b1cbfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十六夜星夜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/indigo09261/
作成日時:2015年9月29日 20時