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「あのさ、うるさい。そんな事、私だって聞かされてない!」
ついにAはそう発してしまった。
「ごっ、ごめんなさいっ!出過ぎてしまいました……!」
少女はこれでもかというくらい直角に体を曲げる。
辺りが少し騒然とし始める。
彼女は、ようやく我にかえった。
やらかした、その後悔がAを覆った。
彼女は軽く頭を振ると、皆を見返した。
「……ゴメン。ちょっと、頭に血が上った」
Aがさらに春歌の方を向きゴメン……、と謝ると、やっと辺りは元通りになる。
彼女は先程周りに言われた質問を一つひとつ返していった。
まず、なぜこの寮に連れられたかは知らされていない事。
そして歌手の件も、大人の事情だというもの。
ついでに、面倒事を起こす程の子供はやっていないこと。
そこまで話すと、今度は疑問を口にした。
「ねえ。私の事情を理解してくれたトコで質問。マスターコースって、何?」
「あ、そっか!さっきの話だと、そーゆーの知らないよね。めんごめんご!」
で、何?と、嶺二のリアクションを完全に無視するという
スルースキルを披露しつつ、目線から嶺二を外した。
「ひ、酷い……」
「レイジはいつもこんなふうだし。今更だよね。マスターコースは」
分かりやすく解説した藍に感謝しつつ、その制度について理解した。
それを聞き、
『先輩と一緒に過ごして、早くデビュー出来るようにするワンランク上の制度』
という事だろう、と彼女は考えた。
そういえば、お兄ちゃんもこの制度をやっていなかったっけ……、と頭の片隅で思う。
夜、いつもメールをくれたんだ。
学園での友達と一緒にやるって、嬉しそうに……。
お兄ちゃん、一体どこにいるの___?
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十六夜星夜(プロフ) - 言音さん» ありがとうございます! 今直しました。 (2015年10月28日 21時) (レス) id: 03b61e41c3 (このIDを非表示/違反報告)
言音(プロフ) - 続き楽しみにしています。あのー、すみません、32話ならなくてが、なりにくてになっているみたいです (2015年10月28日 21時) (携帯から) (レス) id: 2111e957d4 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜星夜(プロフ) - 言音さん» 登録ありがとうございます! 今直しました。確かにその方が違和感がありませんね。ご指摘ありがとうございました! (2015年10月3日 11時) (レス) id: 97a18e3294 (このIDを非表示/違反報告)
言音(プロフ) - お気に入り登録させていただきました。続き楽しみにしています。あのー、文章なのですが、うかがってありますではなく、うかがっていますの方がいいと思います。突然すみません… (2015年10月3日 11時) (携帯から) (レス) id: 2111e957d4 (このIDを非表示/違反報告)
なまけ(プロフ) - 十六夜星夜さん» うん!!頑張って!!更新楽しみにしてまーすd(´▽`) (2015年9月30日 20時) (レス) id: a890b1cbfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十六夜星夜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/indigo09261/
作成日時:2015年9月29日 20時