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「あの。それは名字………ですよね?
 名前も教えて頂けないでしょうか?」


青い、綺麗に切りそろえられた前髪から覗く瞳は、真っ直ぐにAを見ていた。


「悪いけど、私は自分の名前が嫌いなの。諦めて」


きっぱりと彼女が断ると、少年は慌てて、


「は……、いえっ。こちらこそ、失礼しました」


と律儀に頭を下げた。
そのあまりの丁寧さに、Aはやや笑いをこぼしてしまう。


その顔を見ていたのは、ごく僅か。


「翔ちゃん!雷ちゃん、とっても可愛いですっ!」

「やめろ那月いぃっ!」


死闘が繰り広げられていたりもしたが、翔の努力によりそれは大事にはならなかった。


「ではこれよりシャイニング流・カルタを開始する。女、貴様は読み札係だ」

「は、はいっ!」


カミュの合図で野外カルタ大会が始まった。
少女、七海春歌の読む声が響く。


「これって新人アイドルがやる、トレーニングだよね」

「どうでもいいだろ」

「皆頑張ってるね! っていうか、新人君に負けてない?」


先輩グループの3人は高みの見物といったところ。
嶺二の言うとおり、確かに後輩グループ、STRISHはたった一人の青年、愛島セシルにおされていた。

「これは『い』!」

「これは『ち』!」


セシルは俊敏な動きでさっさと読まれた札を取っていく。
そんな彼を相手に、6人は息を乱して追いかけていく。


「はっ、早ええ……! どうなってんだよ……!?」

「はあ、はあっ……! セシル早すぎだよっ!」


体力や運動に自信のあった来栖翔や一十木音也でさえ、追いつけない。
それ程セシルは速かった。


Aはその光景を静かに見ていた。
彼女は、セシルの取ったカルタを見つめた。


『さ』 『い』 『つ』


何となくだが、字が間違っているような気がした彼女だった。





そうして少し経ち、セシルの圧勝が決まりかけた、その時。
聖川真斗がはっとした表情を浮かべ、叫ぶ。


「待て! これは『ち』ではなく、『さ』。
 これは『い』ではなく、『こ』!
 これは『つ』ではなく、『し』だぞ」

「つまり、お手つきだね」


真斗、神宮寺レンの発言に、皆驚きの表情をした。

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設定タグ:うたプリ , うたのプリンスさまっ , 寿嶺二   
作品ジャンル:アニメ
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十六夜星夜(プロフ) - 言音さん» ありがとうございます! 今直しました。 (2015年10月28日 21時) (レス) id: 03b61e41c3 (このIDを非表示/違反報告)
言音(プロフ) - 続き楽しみにしています。あのー、すみません、32話ならなくてが、なりにくてになっているみたいです (2015年10月28日 21時) (携帯から) (レス) id: 2111e957d4 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜星夜(プロフ) - 言音さん» 登録ありがとうございます! 今直しました。確かにその方が違和感がありませんね。ご指摘ありがとうございました! (2015年10月3日 11時) (レス) id: 97a18e3294 (このIDを非表示/違反報告)
言音(プロフ) - お気に入り登録させていただきました。続き楽しみにしています。あのー、文章なのですが、うかがってありますではなく、うかがっていますの方がいいと思います。突然すみません… (2015年10月3日 11時) (携帯から) (レス) id: 2111e957d4 (このIDを非表示/違反報告)
なまけ(プロフ) - 十六夜星夜さん» うん!!頑張って!!更新楽しみにしてまーすd(´▽`) (2015年9月30日 20時) (レス) id: a890b1cbfe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十六夜星夜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/indigo09261/  
作成日時:2015年9月29日 20時

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