君と一緒なら…… [ 寿嶺二]

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カミュに連れ出された８人は、揃って不思議そうな顔。
その中の少女は、特に不安げな顔をしていた。


「大丈夫だよ！七海！」

「うむ。
　カミュさんは先輩なのだし、そう不安げにする事もないだろう」

「そー言う聖川だって、かなり強ばった顔してるぜ？」


赤髪の少年が、少女の元へ向かい声をかける。
側にいた青髪の少年もフォローするが、金髪の小さい少年に突っ込まれた。


「皆さん、こちらですよ」


濃い色の髪の青年が、７人に呼びかける。


「はーい、……わぁ、大きな紙ですねぇ！」


今度は大きな金髪の青年が地面にある、大きく丸い紙を手に取る。


「ホントだ。これは……、『い』かな？」


それに答えたのは髪の長い、たれ目の青年。


「それは何ですか？」


先ほどの青年に質問したのは、あの肌の黒い少年、セシル。


「これは……、」


寒色系の髪が針のように尖っている青年が口を開いた瞬間。



上空からブロロロ……、と轟音がした。


あの8人とカミュの様子に興味を持ったのか、先輩達も集まってくる。
外にいた人達は、一様に上を見た。


そこには、当然というか、予想通りというか……。
そんな複雑な心境にさせるものがあった。


「ハーーイ！皆サン！」


巨体がヘリから飛び降りると、パラシュートを開いて着地してきた。
周りから、『やっぱり……、社長』という声が飛び交う。


Aは早乙女と会った事が何度かあったが、こんな登場は初めて見たため驚いた。
しかし、他の者達はとっくに慣れていたため彼女も顔には出さないよう心がける。


「みんな！おはやっぷー！」


独特の挨拶で早乙女の後ろからやってきた可愛らしい女性……、いや男性はニッコリと微笑んだ。


「社長と……、りんちゃん！？ なんでここに？」


赤髪の少年が、驚いた様子で問う。
二人の説明によれば。


まず、Aの説明、
そしてあの大きな丸い紙について、話しに来たのだそう。


「この子は雷……」


先ほど自己紹介した月宮林檎がそこで声のボリュームをさげ、彼女に耳打ちする。


「……名前、言ってもいい？」


それにAはしっかりと首を振る。
林檎は仕方ないか、というように苦笑し、続けた。


「この子は……、雷ちゃんよ」


もちろん、周りからは声があがる。


「あの。それは名字………ですよね？
　名前も教えて頂けないでしょうか？」

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