８４話 ページ44
開口一番、「え、…ろ、ロシア…語？」としか言えなかった。
子供の割に字が綺麗でも、文字数多いなっでもない。
ロシア語？え、全部ロシア語なの…！？
その事実に嫌でも目がいった。
信じたくなくて、慌てて他の手紙の封を開けて中身を見るが、その開けた手紙たちの中身は全てロシア語で、上から下までびっしりと字が埋まっていた。封の中身によっては5枚程度あるものもある。
恐らく全てそうなのだと知ってしまった私は項垂れるしかなかった。
…これ…、全て訳せ…と？？
まだ開けてもいない手紙の紙束を見て、絶望したあの瞬間を私は未だに忘れられない。
き、鬼畜だ。
…フロイって、やっぱり私のこと嫌ってたのか…？
いや、気持ちはわからなくはないよ！？振った女だもんな！？
同じ外国語でも世界標準語となりつつある英語なら、まだいけなくはないが、…なんせロシア語である。
もう一度言う、ロシア語だ。
…ロシア語なんて、会話でのしかも日常で使う簡単な単語しかわからないのに…あんまりな話だ。
返事書くとなると、やはり地道に勉強するしかないわけで。
すべて訳し、手紙のお返事を書くのに、相当な時間と労力がかかることは…言うまでもない。
目を背けたい現実を思い出して思わず身震いした。
あの財団、実は私を嫌っている。
そうに違いない。
「…大変だな、お前。」
目の前の男もその事実に気づいたらしく、哀れみの言葉を投げられた。
「他人事みたいに言わないでよ。」
「他人事だからな。」
「おい。」
こいつ、ちょっと前まで私の友人だとか抜かしてたのに、結局これかよ。
超常的な力を持っているとはいえ、自分と同じ人間に「下界に落ちるがいい！」とか「下界の人間！」とか大きくこっ恥ずかしいこと言っちゃってさ。
雲より上ならまだわかるけど、ヘブンズガーデンは山頂。山頂より下を「下界」て。ちょっと下界 近すぎるでしょ。
やっぱ「中二病」じゃん。
…よし。
もし、セインに好きな子でもできたらこの黒歴史をばらして幻滅させてやろう。
頭の中で陰湿な嫌がらせを考えているとセインが「今何か失礼なことを考えてるよな？」と眉を潜めて問い詰めてくる。
普段鈍いくせにどうしてこういうときに限って鋭いのか、ちょっとムカつく。
「失礼なことは考えてないですぅ。」
「それ、考えてたって言ってるようなものだぞ。」
全く…と呟くと彼は大げさにため息をついていたが、正直に言ったら言ったで大変な面倒なので絶対言わない。
短編「思い耽る」前 ※キャラ崩壊吹雪くんでます！ごめんなさい。→←８３話
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沙稀乃(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» ありがとうございます！(*´∇｀*)私の頭がポンコツのため、なかなか進みませんが、よろしくお願いします！\( ˙▿˙ )/ (2021年11月5日 0時) (
レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを待ってます！(*´ω｀*) (2021年11月3日 20時) (レス) @page40 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
沙稀乃(プロフ) - ピータンさん» コメ、ありがとうございます！！凄く面白いと言われて、もう既に心が有頂天になってるんでまともに返信ができませんが、本当に嬉しいです。ありがとうございます！更新のろのろですみません…！ (2020年8月21日 16時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
ピータン(プロフ) - すごく面白いですね！これ野坂君がもっと大きくなったらどうなるんだろう？これからも楽しみにしてます！ (2020年8月21日 11時) (レス) id: d4faf78640 (このIDを非表示/違反報告)
沙稀乃(プロフ) - こさめさん» え！？本当ですか！！ありがとうございます！！コメント本当にありがとうございます！嬉しいです！ (2020年8月18日 17時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙稀乃 | 作成日時：2020年4月12日 12時
