５９話 ページ17
トンッと背中に何かが当たると、私の足も止まった。
「…悠馬くん？」
そう呟いて、私は振り向いた。
振り返ってみるとやはり野坂がいる。
ピンク色の髪にグレーの瞳を持つその子は、私に優しく微笑んだ。
「そうだよ。僕だ」
私の腕を握っていた彼は、するりと手慣れた感じでそのままぎゅっと手を握った。
「…へ」
「ふふっ…、」
そのまま彼は微笑むだけで何も言わなかったが、彼は私の前に立つ目つきをかえて、教師と向き合った。
「どういうつもりだ。まだ説教は終わってないぞ」
「説教はもう十分だと思いますよ。先生」
その目には生気をあまり感じ取れないが、怒っているのは確かだろう。
「はあ、…いいか？お前がどう言おうが何もできないんだ。いくら優等生だろうが変わらん。わかるか？
俺はどけと言ってる。さあ、さっさとあっちに行って休んでろ。」
「なら彼女も連れて行っていいですか？彼女はもう十分反省しています。泣きそうなのを堪えて必死に謝ってるんですよ。
…これ以上叱る必要はないと思います。」
「お前は叱られにきたのか？教師の俺の邪魔をしたんだ。そういう意味と取るぞ」
どちらも決して引こうとはしなかった。
いい加減、私を放ってあっちで休んでてほしいのに、彼は笑顔を崩さず微笑んで、まったく逃げようとしない。
「邪魔、ですか。…ふふっ、違います。僕は貴方の行為の邪魔はしませんよ」
「…どういう意味だ？」
「そのままの意味です」
怪しげに彼は笑った。
「そういえば先生って…結婚してたんですね」
突然、話を変えるものだから、おじさんは顔を歪めながら答える。
…彼が結婚？いや、この前パソコンをいじって職員のデータを見ていたが、そんな情報はなかったはずだ。なんの意図があるんだろうか。
野坂の次の行動を見る。
「…いきなりなんだ。言っとくが俺は」
「写真」
「っ！？」
「驚きました。写真取ってたその子、先生の子どもなんですよね」
おじさん教師は青ざめた顔で野坂を見るが、少しして笑みを繕った。
「ああ！生き別れた俺の子だ。
まさかバレちまうとはな…はっはっ…」
後の祭りだろうに彼は無理やり誤魔化してる。
野坂はあのおじさんのどんな弱みを握ってるんだ。
しかし…野坂の言い方からして…"隠し撮り"だろうか？
慌てて誤魔化す先生に彼は優しく無慈悲な言葉を投げた。
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沙稀乃(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» ありがとうございます！(*´∇｀*)私の頭がポンコツのため、なかなか進みませんが、よろしくお願いします！\( ˙▿˙ )/ (2021年11月5日 0時) (
レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを待ってます！(*´ω｀*) (2021年11月3日 20時) (レス) @page40 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
沙稀乃(プロフ) - ピータンさん» コメ、ありがとうございます！！凄く面白いと言われて、もう既に心が有頂天になってるんでまともに返信ができませんが、本当に嬉しいです。ありがとうございます！更新のろのろですみません…！ (2020年8月21日 16時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
ピータン(プロフ) - すごく面白いですね！これ野坂君がもっと大きくなったらどうなるんだろう？これからも楽しみにしてます！ (2020年8月21日 11時) (レス) id: d4faf78640 (このIDを非表示/違反報告)
沙稀乃(プロフ) - こさめさん» え！？本当ですか！！ありがとうございます！！コメント本当にありがとうございます！嬉しいです！ (2020年8月18日 17時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙稀乃 | 作成日時：2020年4月12日 12時
