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守る為に ページ9

西の空が、暗い。
日没だけが原因ではない。厚い雲が徐々に空を覆いつつあるのだ。

「青山は水鳥に殺された……。そうだ! 狩屋たちから聞いていたじゃないか! どうして忘れていたんだろう」

一乃は水鳥へ再び銃口を向けた。殺すことに迷いはなかった。心なしか、水鳥の動きは先ほどよりも悪くなっていた。

「くっ…何だ? 体が痺れる……」

太陽の短剣に毒が塗られていたことも知らず、水鳥はよろめきながら苦悶の表情を浮かべた。

「そうか。終わりだな、水鳥。冥界へ逝ったら、きちんと青山に謝っておけよ?」
「ふん……一乃ももうすぐ来るって伝えておいてやるよ」
「へえ、気が利くな」

これで復讐が果たせる。俺は、このデスゲームが始まってから初めて人を殺す。でも、これでいいんだ。
一乃がリボルバーの引き金を引こうとした、その時だった。

「俺に殺らせろ、一乃!!」

倉間の声。

「え!? 倉間…お前、まだ何か企んで……」
「俺はもう殺人者。殺すことに躊躇いはない。一乃、お前はどこかへ行け」

中途半端に懺悔しながら地獄へ堕ちるくらいなら




最期まで、信念を突き通してやるよ。



「一乃。もう一度言う、行け!」
「い、行くって、どこへ……」

倉間は包丁を振り上げ、水鳥の首筋に突き刺した。そして、倒れた水鳥の手から鮮血に染まった拳銃を拾うと、包丁を捨てた。

「倉間……」
「行けよ。次に会った時は殺す」

やはり、倉間には何も通じなかった。彼は最初から、生き残ることしか頭になかったんだ。
一乃は諦め、倉間に背を向けるとそのまま走り去っていった。


倉間は一乃の背中を見つめながら、その場に立ち尽くしていた。

「………俺が……守るから……」

だから、一乃。お前の手で誰かを殺す必要はない。









俺はもう、生き残る為に殺すのはやめた。守る為に殺してやる。



いいだろ? 別に。
とっくに殺人者なんだから。




「ただ逃げているだけでいい。いつか、心から笑うことができるように」


瀬戸水鳥 死亡
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紅蘭 - 続き楽しみにしています!更新頑張ってくださいね! (2020年5月3日 20時) (レス) id: c9c79794b0 (このIDを非表示/違反報告)
浜野鶴正 - 更新お願いします (2018年7月28日 1時) (レス) id: 76900bd172 (このIDを非表示/違反報告)
常連客 - 頑張って下さい。面白いですね、○し合いなのにグロ要素が無いという全年齢対象で、とっても良いと思います。浜野防弾チョッキって最強(?)じゃん・・・;; あれ?倉間ってナイフじゃなかったっけ??・・・・・あ!水鳥のか・・・www (2015年5月27日 10時) (レス) id: e00034d299 (このIDを非表示/違反報告)
モブ子 - 面白いです!浜野がなにげに生き残りそうです…更新頑張ってください! (2014年12月14日 15時) (レス) id: 9b39510a3b (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 続きが楽しみです! (2014年11月14日 22時) (レス) id: 41ef129427 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ココナッツ | 作成日時:2013年5月7日 17時

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