【イナズマイレブン】怪傑の奇術師【男主】Ⅱ (ページ17)

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｢結局、新必殺技は出来なかったようですね。どう戦うつもりです？｣

「確かにこの前の勝負は俺の負けだった……でも試合はチーム同士の戦いだ。力を合わせれば、絶対にチャンスはある。ガンガン攻めていこうぜ!!」

「「おー!」」

冬海のマイナス発言に億ともしないキャプテンの円堂の声に仲間達が全員拳を上げ、それに習った白石も控えめに右拳を突き上げる。不意に何かを感じとった白石が敵チームである御影専農を横目で見ると、向こうの監督はこちらを見て笑っていた。

―――

試合は雷門側のキックオフから開始される。
豪炎寺からパスを貰った染岡が早速切り込んでいく中、御影専農のエースである下鶴改は余裕そうな笑みを浮かべて彼の前に立った。

「ヘッ、抜いてやるぜ!
……なに!?」

自陣に染岡が切り込んでいるにも関わらず、その場所に立ったまま何もしない下鶴。リベロとして自由に立ち回りをしていた白石は、後ろから追いかけながらその様子を冷静に眺めていた。

『(相手が動かないのは99％の余裕からくるもんなのか)』

早くその余裕を無くしてやりたい白石だが、相手の出方を見ない限り此方としても案がない。相手校の情報が無いことは無い。しかし情報量は御影専農が持ちうる雷門のデータに比べたらはるかに少ない。

どんどんと御影専農陣地に進んでいく染岡の後を白石が追っていれば、次の瞬間雷門選手をマークしていた御影専農の選手達が弾かれたように走り出した。
その間に攻めていた染岡は並列していた豪炎寺を見て、パスを出す。

「豪炎寺!」

「よし。……!」

「ああ!これじゃ動けない!
まるで豪炎寺の動きを予測していたかの様な御影の守備だ!!」