(21)尾刈斗中の噂 ページ23
円堂「尾刈斗中の怖い噂って、何だよ?」
春奈「えっと……。噂っていうのは……」
春奈は、いつも新聞部の記事のメモに愛用しているオレンジ色の手帳を開いた。
春奈「尾刈斗中と試合した選手は、三日後に全員高熱を出して倒れるとか……」
風丸「はぁ?」
松野「高熱を出す?」
円堂「尾刈斗中の中に風邪でも引いているヤツでもいたんじゃないか?」
聖悟「真面目に聞け」
僕が睨みを効かせると、威圧された3人は背筋をピン、と伸ばした。
春奈「尾刈斗中が負けそうになると、すごい風が吹き出して結局中止になっちゃうとか。
尾刈斗中のゴールにシュートを打とうとすると足が動かなくなるとか…」
宍戸「本当なんでしょうか?キャプテン」
円堂「噂だよ噂!」
少林寺「あのぉ……やっぱり豪炎寺さん……」
栗松「そうでヤンスねぇ……」
染岡「何だお前ら!豪炎寺なんかに頼らなくてもオレがシュートを決めてやる!FWならここにいるぜ!」
半田「おう!その勢いだ!なんか豪炎寺、豪炎寺って、そりゃ染岡も怒るって」
松野「ま、元からいるメンバーで頑張るってのも、いいと思うけどね」
円堂「そうだな!」
宍戸「でもキャプテン。もしあの時豪炎寺さんが来てくれなかったら、オレたち廃部だったんですよ。今回だって…なぁ」
少林寺「負けられない試合だ、ってキャプテンも言ってたじゃないですか。
尾刈斗中、なんか怖そうだし、やっぱり…」
聖悟「……なに、人に頼らないで自分から動こうって気、ないワケ。修也くんにいつまでも頼っていたら、勝てる試合も勝てねぇから」
染岡「そうだ!」
円堂「さぁ、練習だ!」
染岡「おう!」
「「お……おぅ」」
イマイチ納得のいかないような顔で、みんなは各練習へ戻っていった。
聖悟「……あぁ、そうだ。円堂」
円堂「ん?」
聖悟「さっき音無さんが言ってた3つの内、足が動かなくなるっていうのは本当だから」
円堂「え?」
それだけ言うと、僕はボールを足で掬い上げてリフティングを始めた。
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少しくらい、アイツらも自分から何かに気付ける力をつけてくれないと、こっちが困る。
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マナ - 雷雨さん» こんばんは…! (2021年6月15日 17時) (レス) id: 080dd1eb98 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - 雷雨さん» 冬花ちゃんみたいに夢主の所に豪炎寺がやってきて話をするとかは? (2021年1月1日 16時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - 雷雨さん» ここではなんですので… (2021年1月1日 15時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
雷雨(プロフ) - ミヤさん» あ、どうぞどうぞ! (2021年1月1日 15時) (レス) id: b56424d09c (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - 雷雨さん» ボートに書いていいですか? (2021年1月1日 14時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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