難儀な結婚話

10：お呼び出し 風見side ページ10

【風見side】


｢降谷さん、東長官がお呼びです。『長官室に来てくれ』と、。｣


自分が内線を取った後、降谷さんに言った。
要件はあえて伝えない。
世界的犯罪組織、通称黒の組織に潜入し続け、壊滅まで追いやった立役者の降谷さんには、毎朝のようにデスクに見合い話が置かれる。

組織が壊滅し事後処理に追われている中での見合い話、
バーボンとして潜入していた降谷さんは、壊滅したと言っても幹部も全員捕まえたわけでもなければ、下っ端の残党はうじゃうじゃといる。
バーボンとしての任を解かれたとしても、バーボンを付け狙うやつもいる。

そんな中嫁なんか出来たら、嫁諸共殺される危険もある。
少なくとも多少落ち着くまで待てばいいのに、と自分でさえ思うところはある。


｢…はぁ、分かった。向こうにいる時でも、組織に動きがあったら連絡しろ。｣
｢は、はい。｣


要件を伝えなくとも察したのだろう。
大きなため息をつかれてから部屋を出ていった。

ﾐｼﾞｶﾒ…

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