第110話 ページ11
A｢有人…君…？｣
痛む頬を押さえて、有人君を見た。
鬼道｢それは義姉さんの本心なのか？｣
A｢…｣
鬼道｢義姉さんが抱えているものは何なんだ？｣
A｢…｣
鬼道｢義姉さんはいつもそうだ。何でも1人で抱え込んで、周りには心配かけないようにいつも笑って…俺は、そんな義姉さんを見ているのが辛い…俺に…家族には頼ってくれてもいいじゃないか…！｣
A｢…！｣
鬼道｢頼むから、俺を頼ってくれ！俺が、義姉さんの悩みを半分持ってやるから！｣
A｢有人君…｣
鬼道｢…｣
有人君はそこまで言うと、黙って何処かへ行ってしまった。
そしてすぐに帰って来て、冷たいタオルを私の頬に当ててくれた。
鬼道｢すまなかった…叩いてしまって…｣
私と顔を合わせづらいのか、有人君は俯いたままそう呟く。
A｢ううん、私こそごめんね。ありがとう。｣
私は、有人君を見て微笑んだ。
A｢私、エイリア学園の皆と友達だったの。｣
鬼道｢え？｣
A｢このこと、お父さんにも話したことないんだ。
…でも、話すよ。｣
私は、有人君を真っ直ぐ見た。
A｢私がエイリア学園の…ううん、お日さま園の皆と出会ったのは、有人君が鬼道家に来る少し前だった。｣
父『鬼道財閥の人間は、常にトップでなければならない。いいな？』
A『はい、お父さん。』
小さい頃から、毎日勉強三昧の日々。
それが当たり前だと思っていた。
でもある日、私の中で何かが壊れて、私は生まれて初めて家出をした。
しばらく歩いていると、何処からかボールの音がした。
『もらったぁ！』
『あっ、くそ！待ちやがれ！』
『えいっ！』
A『楽しそう…』
『ねぇ、サッカー好きなの？』
A『え？』
振り向くと、赤髪の男の子がいた。
A『サッカー？あれ、サッカーっていうの？』
『え？君、サッカー知らないの？』
A『うん…私、ずっと勉強ばっかりで遊んだことないから…』
『じゃあ、サッカーやろうよ。俺が教えてあげる！』
赤髪の男の子は、優しい笑顔で笑った。
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条介嫁 - 今更ながら初コメ失礼します。鬼道オチのを見た後見つけちゃってまたまた拝見させてもらってます！！と、ここで初コメながら……条介オチ作ってください!! (11月30日 9時) (
レス) id: c880e5c60f (このIDを非表示/違反報告)
苺の花(プロフ) - 美味しい木材さん» ありがとうございます^ ^ (2019年10月20日 20時) (レス) id: e27dc06978 (このIDを非表示/違反報告)
美味しい木材(プロフ) - ものすごく面白いです！更新頑張ってください！ (2019年10月20日 20時) (レス) id: 9f6bf4ed89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年10月9日 16時
