第278話 ページ33
円堂｢久遠監督！｣
久遠｢俺に言わせれば、まだまだ欠陥だらけだが…お前達は今、世界で1番マシなプレーが出来るチームになった。
よくやった。｣
久遠監督は、初めて笑って、そう言った。
皆｢ありがとうございました！｣
A｢お父さん、お母さん、見ていてくれた？私達、世界一になったよ…！｣
私は目に涙を溜めながら、空を見上げた。
そっと手を握られ見ると、(人1)兄が私を見上げて笑っていた。
(人1)｢やったな、A！｣
A｢うん！｣
日本へ帰る前日、私と(人1)兄、有人は砂浜を歩いていた。
鬼道｢ここを歩くのも、今日で最後だな。｣
(人1)｢あぁ。｣
(人1)兄は車椅子から足を離して、地面を踏んだ。
A｢色んなことがあったね。｣
空を見上げて、呟く。
(人1)｢A。｣
A｢ん？｣
振り返ると、(人1)兄が真剣な顔で私を見ていた。
(人1)｢ずっと言おうと思ってたんだ。その左目のこと。｣
A｢え？｣
(人1)｢日本に帰ったら、手術しないか？そうしたら、もっとサッカーが…あっ…｣
A｢…｣
私は、顔を伏せた。
鬼道｢どうしたんだ？｣
A｢…｣
私は有人を見て、左目の眼帯を取った。
鬼道｢っ！その傷は…｣
私の左目には、大きな傷跡がある。
A｢事故の時に…私、ずっとこの傷跡が嫌だった…醜いから…｣
私は、顔を伏せた。
(人1)｢A…｣
鬼道｢俺は、醜いなんて思わない。｣
A｢え？｣
私は顔を上げて、有人を見た。
有人は、微笑んでいた。
A｢有人…｣
(人1)｢兄ちゃんも思わないよ。傷があってもなくても、兄ちゃんの可愛い妹に変わりはないからな！｣
(人1)兄は、私に手を伸ばして、私の頭を撫でた。
A｢ありがとう、2人とも。…決めた。(人1)兄、私、手術受けるよ。｣
私は、2人を見て、微笑んだ。
その日の夕方。
染岡｢円堂！｣
円堂｢みんな！｣
染岡｢行くぞー！円堂を胴上げだー！｣
皆｢おぉー！｣
染岡の声に、みんなが円堂に走っていく。
(人1)｢兄ちゃん、このチームの…イナズマジャパンのマネージャーになって、本当によかった！イナズマジャパンは最っ高のチームだ！｣
A｢うん…私もそう思う。｣
私と(人1)兄は、笑っているみんなを見て、笑いあった。
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年5月10日 12時
