第266話 ページ21
次の日、私はイタリアの街で、あるものを探していた。
A｢んー…これじゃないな…｣
夕方、買い物を済ませて、病院に戻る。
ｶﾞﾗｯ…
(人1)｢おかえり〜！｣
ドアを開けるなり、(人1)兄は満面の笑顔で出迎えてくれる。
A｢ただいま。｣
椅子に座って、一息つく。
(人1)｢そういや今日って、オルフェウスとリトルギガントの準決勝だったよな？
どっちが勝ったんだろ？｣
A｢さぁ…でも円堂が、もう一度フィディオと戦うんだって言ってた。｣
(人1)｢あーあ…テレビがあったら、今日1日退屈せずにすんだのにな〜。｣
A｢そうだね。あっ、そうだ。これ。｣
私は、ラッピングされた袋を、(人1)兄に渡した。
(人1)｢開けていいか？｣
A｢うん。｣
ｶﾞｻｶﾞｻｯ…
(人1)｢これ…｣
A｢リストバンド。手術成功のお祝いにって思って。｣
(人1)｢…｣
(人1)兄は何も言わず、リストバンドを見ていた。
A｢気に入らなかったら、無理に付けなくても…｣
(人1)｢サンキュー、A！これ、一生大事にするよ！｣
(人1)兄は、リストバンドを付けて、いつもの笑顔で笑った。
それから、(人1)兄はリハビリに励み、私はずっと(人1)兄のそばにいた。
そして＿
決勝戦の朝、私達はライオコット島に帰ってきた。
(人1)｢ん〜！久しぶりだな、この空気！｣
A｢帰ろっか。｣
(人1)｢おう！｣
私達は、宿に向かった。
宿に着くと、朝早いというのに、みんながランニングしていた。
円堂｢おっ！A！それに、(人1)も！｣
円堂の声に、みんなが駆け寄ってくる。
鬼道｢もう、大丈夫なのか？｣
(人1)｢あぁ。当分は、車椅子生活だけどな。｣
A｢ガルシルドのこととか、久遠監督から聞いた。
ごめん、大変な時に…｣
鬼道｢気にするな。｣
円堂｢鬼道の言う通りだぜ！
それより、今日の決勝戦、頑張ろうな！(人1)は、応援よろしくな！｣
A｢うん。｣
(人1)｢おう！任せとけ！｣
朝ご飯を食べて、久遠監督の前に整列する。
円堂｢監督。全員揃いました。｣
久遠監督は、私達1人1人の顔を見た。
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年5月10日 12時
