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近待の理由 ページ50
お気楽な国永の言葉に思わず舌打ちをする。別に強制でもないが俺は未だに主の近待をしているのが現状。
かと言って、以前のやり方と変わったかと言えばそうでもない。基本主は自分のことは自分でやる主義で、近待の仕事は他とは違い、少ない方らしい。最近の本丸には主のメンタルケアと言う意味のわからないものまであるそうだ。そう言ったことがないため楽なのだが…少ない仕事の代わりに問題事を起こす刀剣男士(彼奴等)の後始末が最近俺に回ってくるようになったため、かなり面倒になってきた…
だが、あいつには言えなかった。何故だか知らない。この前の問い掛けの時
『もしかして…嫌だった？』
「別に…どうでもいいが、あんたが何故俺を近待にし続けているのかわからなかっただけだ」
『そっか…色々理由はあるけど…そうだね…強いて言うなら、安心するから…かなぁ？』
「…？」
『私にとって大倶利伽羅は、どの子より安心して背中を任せられるから…初期刀だからだろうと思うけど…ううん、多分初期刀だけじゃない。他にもきっと理由はあると思う…まだよくわからないけど、なんとなくそんな気がするんだ』
下を向く俺に『これは別に強制じゃないから、嫌なら嫌って言ってくれて良いんだよ？』
と声も投げかけられた。
確かに面倒事は厄介だ。それが対人関係なら更に厄介になる。だからと言って他の奴等がこの仕事をやっている想像が出来ない…否、したくはないのだろう…
「俺はやる…馴れ合いはするつもりはないがな…」
『大倶利伽羅さん…ありがとうございます』
微笑む顔を見ないように、俺はその場から離れた。
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作者名：セローナ | 作成日時：2017年3月8日 0時
