戦い途中 堀川side ページ40
僕たちは出陣する前に主さんに出来るだけ敵を切らせないようにしようと話し合っていたため、最初から自分の出せる範囲の本気を出していた。
けれど流石は厚保樫山。錬度には自信があったんだけど、今回は何故か敵の数がやけに多いことに気がついた。
その為、連携に小さな綻びが生まれる。
それに気づいたであろう敵の脇差が平野くんに攻撃の対象に入ってしまった。
…しまった…気付くの遅すぎた…
すると、断末魔の音が聞こえたかと思えば、平野くんに攻撃しようとしていた敵の脇差が消えた…いや、そこにいたのは紛れもなく…
…主さん…
主さんが平野くんを狙った敵を切ったことで、主さんにも矛先が向けられている。
勿論、僕は焦った…いや、僕だけじゃない…燭台切さんを始め、殆どの出陣メンバーは同じことを感じたはず…
そんななかでも主さんは驚くほど冷静だった…初陣のはずなのに、ちょっと前まで刀すら握ったことのない只の一般の女性だったのに…
まるで長らくこの戦場に身を置いているような人に様変わりしていた。
独特な踏み込み、そして刀の衝撃を受け止めるのではなく受け流して…
多少は主さんが持っている大倶利伽羅さんが手を貸しているのだろうけど…こうも人が変わるような動作になれるのかな？
それにその姿はまるで剣舞をしているかのようで華麗で、見ているこっちがつい手を止めてしまいそうになるくらいだった…。
いや、いけないいけない。
一番守らなきゃいけない主さんを戦いに出続けさせるのは良くないよ。
これは兼さんに報告してもっと僕自信も強くならなきゃね…
他の皆さんもそう感じたみたいだ。さぁ…気を引き締めなきゃね！
堀川side終わり
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セローナ | 作成日時：2017年3月8日 0時
