言葉 ページ33
私は知らぬうちに鯰尾くんを傷つけてしまったのか、いったい何時何処で？と頭の中でグルグルと回っている。その戸惑いに鯰尾くんは慌てる様子で首を降った。骨喰くんも同様だった。
「えっ！？あっ、違いますって！主さんを嫌ってなんてないですよ！それに皆さんいい人たちなので、この本丸にこれてよかったなと思ってますし！！あ、あれはその…投石！そう投石の練習です！！ほらっ、馬が居ると馬糞って沢山出るじゃないですか！これ、肥料だけにするのが勿体無いな…あっ、これだったら投石の練習になるかも！って思いまして！さっきの言葉はほらっ、練習するなら的は嫌いなやつを思い浮かぶとよく当たる…いや、言葉の綾と言うかなんと言うか…」
「…さっきの兄弟の言葉はあまり深い意味はない。兄弟も俺も主や仲間を嫌っていない。だから安心してくれ」
流石は兄弟、きちんとフォローを入れてくれる骨喰くん。
二人とも性格が真逆だからなのか、お互いの欠点を補っている。いい信頼関係だと思う。
「そうなんだ」
鯰尾くんにはとりあえず嫌われては居ないことに少しほっとした。
骨喰くんも私がそんなに怒っていないことに気付いたのだろう。少し安心した顔をしている。
…けど流石にこれはっ…
「とりあえず馬糞は人が通りそうな方向には投げないようにお願いします…それと…投げるのは…ほどほどに…ね？」
「はぁ〜い！わっかりました〜！」
「あぁ、わかった」
当番はしっかりやってくれているようで、あまり規制を掛けたくはない。ただ、他の人に迷惑がかけると申し訳ないと思うため、軽めに指摘をしておいた。鯰尾くんも納得してくれているようで、素直に返事をしてくれたのだが…
次の日長谷部さんの怒鳴り声が響き渡った瞬間、指摘の意味をなしてなかったことに頭を抱えてしまった。
これは少しばかり厳しくしないとダメかもしれないと私も反省した日だった。
さて、そろそろ特別任務が近付いてきたな…
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作者名：セローナ | 作成日時：2017年3月8日 0時
