伏見弓弦には『妹』がいるらしい

妹です９ ページ11

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桃李｢ただいま〜！｣









弓弦｢ただいま戻りました。｣









桃乃｢お兄様！おかえりなさい！｣









坊ちゃまの声にいち早く反応するお嬢様









貴｢おかえりなさいませ、坊ちゃま、お兄様。｣









いつもより少し遅い帰宅









生徒会の仕事が長引いたのだろうか









弓弦｢A、少し時間を頂いてもよろしいですか？｣









貴｢………？はい。｣









……どうしたんだろう









学校で、何かあったのだろうか









坊ちゃまとお嬢様が夕食を摂っている間に済む話なら良いのだけれど。









応接間の外に出、周りに人がいないことを確認する弓弦









そんなに重要な話なのだろうか









それとも、坊ちゃまに聞かれたくない話なのだろうか









弓弦｢………実は、明日部活の都合でいつもより早く学校に行くことになって…｣









弓弦の所属する弓道部は、蓮巳家の御子息が部長を努めている









話によると、その御子息が「早朝は集中出来るから矢を射るのに丁度良いのではないか」と提案し、ものは試しだという事で明日実施することになったらしい









弓弦｢朝の坊ちゃまの身支度は整えられそうなんだけど、朝食の片付けは出来そうにないんだ｣









なるほど









貴｢坊ちゃまの分の片付けも、わたしがやっておくから心配しないで！｣









弓弦の不安を取り除こうと、力強く言う









弓弦｢……ありがとう、お前の仕事ぶりは信頼してるから特に心配はしてないよ。………心配なのは、桃李の方。｣









弓弦は『主人』と『使用人』という立場になった今でも、坊ちゃまのことを名前で呼ぶことがある









酷い時には平気で『クソガキ』とか言うし…









まぁ そんな弓弦も可愛いんだけど









貴｢坊ちゃまの何が心配なの？｣









弓弦｢ほら、桃李のやつ、Aにしょっちゅう甘えたがるだろ？｣









貴｢………………………………｣









…………否定出来ない。









………………でも、









貴｢坊ちゃまはわたしに任せて！絶対遅刻させないから！｣









これ以上弓弦に気苦労を掛ける訳にはいかない

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