日常255 グルメ街は危険街 ページ43
「美味しかった〜。」
「ほんっとに、良く食うよな。」
「そうですか?」
夜の中華街を歩く2人。
少女は別腹だと言って、いちご飴を片手に持つ。
すると_
「んだとゴルゥア!!」
前方から男の怒鳴り声が聞こえる。
少女と左馬刻がその方向を見ると、
「てめぇ、誰にモノ言ってんのかわかってんのかぁ?」
治安の悪そうな男達が、ある店に絡んでいた。
左馬刻が舌打ちを零す。
「左馬刻さん、ここ左馬刻さんのシマなんですよね。彼らは…」
「あぁ、ウチのモンじゃねぇな。」
左馬刻は面白くなさそうに足を進める。
少女は、それについて行き、
「今日からここは、俺たち<便追組>のシマだぁ。」
_<便追組>!?
その言葉が聞こえた瞬間少女が走り出す。
そして、
「おじさん、すみません。この肉まんいただけます?」
少女は男をどけると、店長らしきおじさんに笑顔で肉まんを頼む。
「えぇ!?お嬢ちゃん、…どうして。」
うん。店長が驚くのも無理はない。
左馬刻は少し後ろの方で口を開けて唖然としている。
「甘いもの食べた後ってしょっぱいもの欲しくなりません?」
「てめぇ、クソアマ!ちょっとは考えろや。どうなっても良いのか?あぁ?」
少女は、嫌そうな顔をしていちご飴の棒を隣の男の鼻に差し込む。
「ぐほっ!」
「うっせぇんだよ。人様に迷惑かけんなクソが。」
軽く差し込んだため、出血はしていなかったが痛そうだ。
店長はもう引いてしまっている。
男が怒り、少女の肩に腕をまわして殴ろうとしたその時、
「おい、そこの蛆虫ども。その女から手ぇ放せや。」
「これはこれは…火貂組若頭の碧棺左馬刻さんじゃぁありませんか。こんな時間に女連れですかぁ?」
左馬刻が呆れながら声をかける。
男は少女から手を離さないまま、左馬刻を見て悪い表情を浮かべる。
「まぁ、何にせよ、ここはウチの組が仕切らせて貰いますよぉ。」
「ぶっ潰す!」
男はナイフを出して、少女にあてがう。
「おぉっと…大事な女に傷がついちまうぜ。」
「はっ、そりゃどうだかな。」
「この状況で俺らに勝てるとでも?」
男が少女にナイフを近づけてニヤリと笑うが、左馬刻は呆れ顔だ。
「へぇ、余裕だな。言っとくが人質ならそいつは人選ミスだ。」
「はぁ?…ぐへぇ。」
少女は男の手が緩んだ瞬間に、ナイフを遠ざけ顔面に膝を入れる。
「さぁて、俺様のシマで好き勝手してくれたんだ。落とし前付けろや。」
そう言って、左馬刻はマイクを起動させた。
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きな粉もち - いもけんぴさん» ご返信ありがとうございます。楽しみに待っています! (2022年10月29日 18時) (レス) id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - きな粉もちさん» きな粉もち様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - くりゅさん» くりゅ様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - れんさん» れん様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - 人間洗浄機シリーズ、いつも楽しませていただいております!8以降のパスワードを教えていただけないでしょうか? (2022年10月26日 16時) (レス) @page47 id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2021年1月17日 19時