日常241 重い愛 ページ29
_コツ…コツ…
神社にヒールの足音が響く。
「おや?誰か来たようですよ。」
寂雷の言葉に全員がバッと後ろを振り返る。
そこにはスカートを穿いた女の影が。
少女は顔を青くして寂雷の元へと走り、寂雷の後ろに隠れる。
「おやおや…」
「お、お化けは苦手なんです!」
_コツ…コツ…
女がこちらに近づき、本殿の証明が女の顔を照らす。
「一二三君っ!」
女は俗にいう地雷メイクの様なものを施していて、メロメロになりながら一二三を見つめる。
_何だ、生きてる人だ。
少女は地雷匂のする女を見て安心したように肩の力を抜いた。
しかし、女だからこそ恐怖を感じる人がここにいる。
「ひぃっ!女の子!」
「ひ…ふみ、ぐへぇ!」
一二三は来た人物の正体が女だと分かると、近くにいた独歩のシャツの首元を握り締めて引っ張る。
おかげで独歩の首が締まり、苦しそうだ。
「…?何だか、いつもの一二三君と違うような…。」
女は顔をかしげて一二三の様子を見る。
独歩は何とか一二三を引きはがし、手に持っていたジャケットを素早く一二三の肩にかけた。
「…はっ!」
すると一二三からジゴロの表情になり、淡々とジャケットに腕を通していく。
「貴方は、美々海さん!」
「え?知ってる人?」
一二三はジャケットを身につけ終えると、女の元に近づいていく。
どうやらこの女は美々海と言い、一二三のお店のお客さんのようだ。
「ごめんなさい。一二三君。」
美々海が一二三に声をかける。
何故謝るんだ?そんな視線で一同が美々海の方を見ると、
「貴方に迷惑をかけるつもりは無かったの。」
「何のお話だい?」
「私っ!一二三君の事が好きで好きで、大好きで!!」
そう言って美々海はある男を指さす。
「だから…だから、一二三君と一緒に住んでいるソイツが憎かった!」
美々海の指の先にいたのは…
「お、俺ぇ!?」「独歩さん!?」
独歩だった。
「そうよ。カバみたいに頭弱そうで、ミジンコみたいに存在感無いくせに。ソイツと…あの女さえいなければ、一二三君は私のものになると思ったの!あの女は…きっと彼が何とかするはずだから、
これで私は一二三君のもの!一二三は私のもの!」
どうやら独歩の存在が美々海にとって邪魔だったらしい。
恋敵にされて、冤罪を押し付けられるとは…同情する。
_それより、あの女って?
少女は寂雷の陰に隠れて思考を巡らせる。そして、念のためだとあるモノのスイッチを押した。
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きな粉もち - いもけんぴさん» ご返信ありがとうございます。楽しみに待っています! (2022年10月29日 18時) (レス) id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - きな粉もちさん» きな粉もち様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - くりゅさん» くりゅ様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - れんさん» れん様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - 人間洗浄機シリーズ、いつも楽しませていただいております!8以降のパスワードを教えていただけないでしょうか? (2022年10月26日 16時) (レス) @page47 id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2021年1月17日 19時