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「さよーならー !」

教室いっぱいにみんなの声が響いた


ふわぁ と小さなあくびを一つ
人から見られないように手で隠した




バタバタと部活生が教室を出ていく音が聞こえてくる


帰宅部所属の私は学校に残る理由はもちろん、急いで家に帰る理由もない
友人のほとんどは何らかの部活に所属しているため帰りは一人のことが多い

誰にも気を遣う必要も、自分を偽る必要もないため気が楽ではあるが、
朝は集団で登校しているということもあり、何だか心細く感じる




人が少なくなった教室ではクラスで飼っている亀――カメ助―がコツン、コツンと
壁にぶつかっている音がよく聞こえた


そんな音をなんとなく聞きながら学校を出るためにカバンに荷物を詰め始めた


テストが近いわけではないが、これといった趣味も特になく、
家ではいつも時間を持て余してしまうため 勉強道具を適当に詰め込んでおく


「んん、入れすぎちゃったかな。
 ちょっと重たいや」


なんて独り言をつぶやき、ちょっとした後悔をしながらも
カバンから取り出して片づけることを面倒に感じ、そのまま肩に担いで歩き出した


「また明日ね〜」


とまだ教室に残っている数名に笑顔で声をかけて教室を後にした


教室からは「じゃーねー」「ばいばーい」と声が聞こえてきたが
特にそれに対して返事をすることはなかった



学校を出るまでの間に数名の先生をすれ違い、
その度に笑顔を作っては さようなら と挨拶を交わした




ちょうど正門が見え始めたとき、
髪の長い女性が、見覚えのある姿が目に入った


後ろ姿ではあったがすぐに誰なのか分かった

心臓がトクン と小さく跳ねた気がした




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設定タグ:イナイレ , エイリア   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:なついろ | 作成日時:2020年2月26日 4時

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