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≪風が呼ぶ出会い≫SIDE Falco ページ9

「ったく…何で了承しちまったんだろうな…」

ファルコは仏頂面で、スマブラ寮内を歩いていた。
任務が無く、暇だったからこの大会への出場を了承したものの、
やっぱり白兵戦は気が向かない。単に苦手だとか、嫌いだとか、そういった事ではない。
自分は肉弾戦が得意だし、射撃もそれなりに出来る方だ。
だが、フォックスの様に模範的な白兵戦は出来ない。
自分は親の顔を知らず、コーネリアの裏路地で育った。
親はコーネリア戦争で戦死したらしく、自分も空襲の中逃げ回った。
自分の体術は実戦的で強いとフォックスに褒められた事があったが、当たり前だ。
自分は暴走族の前ヘッドに出会い、助け出されるまで十年以上、
闇の世界を己の身一つで生き延びて来たのだから。
正直言って、自分の戦い方は体術ではない。長い年月の中で覚えた、生き延びる術だ。
丁寧なフォックスの攻撃に対して、自分の攻撃は荒々しく過去の片鱗が見え隠れしている。
白兵戦に気が向かないのは、そんな戦い方を見て過去を連想されたくなかったからだ。
空以外の場所で戦っていると、ただ生き延びる為に人を傷付けていた事を思い出す。
そこまで考えて、ファルコは小さく笑う。
あの場所から離れたのは、もう今から五年以上前なのに、
未だに呪縛から逃れられないでいるのかよ、俺は。ダセーもんだな。
自分の過去は、フォックス以外知らない。
自分の過去を知って、コーネリア戦争時には生まれていなかったスリッピーや、
軍で戦っていたペッピーが、今まで通り接してくれるだろうか。

「ったく、すっかり滅入っちまったな…」

そう言いつつ、彼の足は自然に屋上へと向かって行った。
こんな時は、いつも空を見て来た。
何処までも続き、やがて全てを覆う宇宙となる空を見ていると、
そんな事どうでもよくなってくる。
屋上へ上がると、それなりの広さがあった。

「無駄にデケェな…」

そう呟き、フェンスにもたれかかって空を見る。
風が吹き始め、清々しい解放感に包まれる。
自分が追い求めるスリルと自由が、空には在る。
空に居ると、過去の呪縛からも解き放たれる。

(雇われ遊撃隊のパイロットってのも、天職かもしれねぇな。)

?「あの…」

後ろから、急に声がする。振り向くと、そこには人間の少女が居た。
ピンクのショートヘアーをした、十代前半の少女だ。

ファルコ「誰だ?お前」


風が呼ぶ、二人の出会い。

終わり←風が呼ぶ出会い SIDE you


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設定タグ:ファルコ・ランバルディ , スマブラ , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ヴェント | 作成日時:2015年3月11日 23時

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