第4話 新鮮な気持ち ページ6
「う…そっ…」
私は真っ青になって
カバンをひっくり替えした
「なんで?!
なんで、ないの?!」
私の“日記”が見当たらないのだ。
あれは、いつも無くさないように
きちんとカバンの中に入れていた。
「……あれの中身は、見られたくないのに。」
日記など、誰も見られたくないもの
交換日記などはまた別だが、
あれはには、“毒という名の毒”
つまり、日々の鬱憤や悪口しか書いていない。
「____仕方がない。」
下唇を噛み締め、
イライラした気持ちを抑えるかのように
ベットに倒れこんだ。
「あんなもの、
持ってきている方が悪い…か…」
私は、“無くす”という事までは考えていなかったのだ。
明日にでも、図書室へ行って確かめてみよう。
そう決意したら、何だか瞼が重くなり、目を閉じた。
-
次の日___
「眠っ…」
大きな欠伸をしながら
図書室へと足を運ばせる
只今の時刻、
午前7時30分
今日はいつもよりも1時間近く早く起きたため
体がついていかない。
日記がもしここになかったら、
もう、あれは諦めよう。
幸い、名前も書いていないことだし、
自だけでは私とは認識できないはず。
私はひと呼吸置いて、図書室の扉を開けた。
「____あ。」
すぐに目に飛び込んできたのは、
なくしたと思っていた日記
私は、誰かに見られてはいないかと
中身を確認した。
すると、
「……何、これ。」
ノートを捲った際に、
1枚の付箋が落ちてきた。
引っくり替えしてそれを見ると、
とても綺麗な字で
“大変申し訳ありませんが、
日記の一部を読ませていただきました。”
「…っ!」
私は周囲を確認するが、
誰もいない。
「最悪…顔も知らな…あれ?」
付箋には、
まだ言葉が続いていた。
“あなたとは、
好きな本の趣味が合うようですね。
もしよろしかったら、少しお話しませんか?”
「え…」
私の中には、
不安の言葉が浮かんだ。
でも、それと同時に、
“期待”の言葉が、何故か浮かんでしまった。
なぜなのかはわからない。
ただ、“少しだけなら”という感情が
私には抑えられなかったのだった。
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作者ホームページ:なし 作成日時:2015年10月25日 21時