第3話 返却 ページ5
「それじゃあよろしくな。」
そう言うと
私の目の前に1冊の本を置く彼
「よろしく。ではありませんよ仁王くん!
本ぐらい、自分で返してきてください!」
彼に注意するが、
聞く耳持たずに、ふらふらと何処かへ行ってしまった。
柳生は溜息をつき、
机の上に置かれた本を見た。
全く仁王くんは…私をこき使って…
第一、返すのが面倒ならば
借りなければいいものを…
「はあ…仕方ありませんね。」
柳生も、本を返しに行こうと思っていたため
ちょうど良かった。
そして私は放課後、
部活が始める前に図書室へと向かった。
相変わらず特別等は静かで
人の気配など全くしない。
「ここで空いていなかったら
私はとんだ無駄足ですね。」
空いていますように。と願い
扉に手をかけた。
「すいません。
本を返しに来たのですが____」
鍵はしまっておらず、扉は開いた。
「…?」
物音がした。
不思議に思い、そちらに視線を向けるが、
誰もいない。
…気のせいですかね?
耳を澄ませてみるが
やはり音などはしなかった
おっと、いけない。
早く部活にかなくては。
時計を見ると、
もうテニスコートのいなくてはいけない時間だ。
この本を、返したかったのに…
「…誰もいない様ですね。
仕方ありません、ここに置いておきましょう。」
先を急いでいたため
柳生はカウンターに本を置いて
図書室を出た。
「おー柳生。
ちゃんと戻してくれたか?」
「仁王くん…
もう次はないですからね?!」
「はいはい、分かっとる。
お前にはもう、頼まんよ。」
仁王の言葉に、頷いたが
「私には?!
仁王くん!人をこき使うのはやめなさい!」
「うるさいのう柳生は…」
ただいま真田がラリーしているのをいいことに
二人は言い合いを始めた。
「あの二人、
なに言い合ってるんスか?」
「さあな。
ま、どーせ仁王のことだ。
人使い荒いって話だろい?」
1度言って聞かない人は、
何度言っても聞きません。
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作者ホームページ:なし 作成日時:2015年10月25日 21時