【A3!】天才ちゃんの化けの皮。2nd

#90#かんな様リク ページ45

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『帰りました…って、佐久間くんだけ？』





「あ！由井さん！おかえりなさい！」






今日は、撮影が他の俳優さんの体調不良の関係で延期になり、随分早く帰ってきた。
談話室に行ってみると、テレビを観ていたのは佐久間くん。
他には誰もいなかったから…買い物でも行ってるのかな？






まぁ、丁度いい。







『佐久間くん…これあげる。他の人には秘密ね？』





「えぇ？！俺にですか？！…えっ、これって…」






テーブルの上に、ケーキ屋さんの箱を置く。
佐久間くんはキラキラした目で箱を開いた。







「こっ、これ！駅前ですごく並んでる奴ですよね？！」






『うん、そうみたい。…佐久間くんに買ってあげたいものがあったから並んだんだけど…途中で身バレしちゃったの。


そしたら店員さんが速攻で通してくれた。』






「す、すご…！」






『そんな話はいいからいいから。どうぞ召し上がれ？』








私が佐久間くんに買ってきたのは、駅前のケーキ屋さんが今日限定で出している桜味のケーキとシュークリーム。





偶々通りかかったらチラシをもらって、佐久間くんに食べさせたくてならんだのだ。
…桜といったら佐久間くんだし。






「でも…ここのお店すごく高いですよね…？
俺なんかがいただいちゃってもいいんですか？！」






『その辺は気にしなくて大丈夫、私わりとお金貰ってるし？


佐久間くんに食べて欲しくて買ってきたんだから。』








私がそういうと、佐久間くんはぱぁっと笑顔になった。
…えっ、かわいい…。








「じゃ、じゃあ！いただきます！」





『どーぞどーぞ。』







佐久間くんは、ニコニコしながらシュークリームにかぶりつく。
もぐもぐしながら私に微笑んでくるのだから、愛らしことこの上ない。







…なんていうのかな？小動物感…。








「すっごく美味しいです！」






『ほんと？よかったー！…って、佐久間くん。』





「ん？なんですか？」







きょとんと首をかしげる佐久間くん。
その仕草が似合うタメの男の子なんて見たことないよ…。






私が指で頰を撫でると、佐久間くんはびくりと肩を震わせた。








「えぇ？！ゆ、由井さん？！」






『はは、そんな赤くならないでよ。…クリーム、ついてた。』








頰からとったクリームを舐めると、頰を真っ赤にそめた佐久間くん。








「ゆ、由井さんズルいです…！！」






『え、何が？！』







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