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「茅野さん、いつもあんなとこうろついてるの?それもこんな時間に。」
『ううん、今日はたまたまだよ。』
それ後、私は赤葦くんに連れられて、彼の住んでいるマンションへ招かれていた。
一人暮らしの大学生が住むにしては、十分すぎるほど広く、綺麗だった。
そしてなんといっても、部屋じゅうに充満している赤葦くんの薫り。
シトラスとか、ミントとか、そういった制汗剤の香りではなくて。
赤葦くん本人の、人間としての薫り。
…あぁ、いいにおい。おいいそう、とても。
しんどい。
今すごくお腹空いてるから、ほんとに。
でも、食べちゃダメ。
「とりあえず近かったからうちに来てもらったけど…、茅野さん家どこ?送っていくよ。」
私が食欲と戦っていると、赤葦くんがコーヒーを差し出しながらそう言った。
赤葦くんは親切心で言ってくれてるのはわかるんだけど、流石に家はまずい。
私の家、アオギリの樹のアジトだから…!
『いや!大丈夫だよ!…そんなに遠くないし、1人で大丈夫。』
「そんなわけにもいかないだろ。こんな時間に女の子を1人でなんて…。
それに、この辺り…最近よく出るんだよね。」
『…何が?』
数秒、時が止まったような感じがした。
赤葦くんが、険しい表情になる。
本当は答えがわかっているのに、しらばっくれて質問した。
私、ずるいなぁ。
「喰種だよ。」
どくん、と心臓が大きく脈をうつ。
いや、何今更そんなこと思ってるの。
生まれたときから、こんな感じの話何回もしたのに。
赤葦くんの口からその単語が出でくると、なんだか嫌な感じがした。
変な汗が、背中を伝った。
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天掬葵羽(プロフ) - とても面白いです!続き楽しみにしています! (2017年9月19日 2時) (レス) id: 0153f8816f (このIDを非表示/違反報告)
さくさくぱんだぁ(プロフ) - 大好きな東京喰種と大好きなハイキュー!!更新楽しみにしてます!! (2017年8月13日 18時) (レス) id: fa65b62271 (このIDを非表示/違反報告)
打倒シティガール - 東京喰種とハイキューのコラボ、、。最高です!!更新頑張ってください!! (2017年8月11日 20時) (レス) id: a020d6fc9b (このIDを非表示/違反報告)
ジャスタウェイ - 東京喰種ってよく知らなかったんですけど、興味出てきました。更新頑張ってください! (2017年8月11日 7時) (レス) id: a182b969b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青 | 作成日時:2017年8月10日 21時