ワケあり少女は拾われました

３６夜(過去編) ページ38

お父さんとお母さんは私が高校生になって離婚。

お父さんの病気もだんだんと悪化していき離婚から暫くして入院することになった。

私は高校に入学してすぐにバイトをしていたため入院費や治療費を貯金から出していたが、たかが高校生のバイト代……、すぐに底をつきた。


……そんな時。



※高校生の頃



『貴方が私を会社に呼び出すなんて…、珍しいですね。』


「そんなどうでもいいことを話すために呼んだわけじゃないのよ、黙って私の話を聞きなさい。」


『…はい。』


「…単刀直入に言うけど、もう尚仁(なおと)(Aの父)のためのお金残ってないでしょ?」


『……。』


「なんなら…私がお金出してあげてもいいわよ」


『…っ!?』


「勿論、条件つきだけどね。」


『…何ですか。』


「私の会社で働きなさい、貴方くらいの人材がいればこの会社はもっと上をいく事ができる」


『……それさえすれば父さんは』


「えぇ、あの人に関するお金は私が全額負担するわ」


『…分かりました、その話にのります。』


「話が分かるいい子ね、さすが私の子。じゃあ早速仕事に取り掛かってもらうわ、契約の為の書類は後で送るから受け取ったら直ぐに提出すること。」


この人は私が交渉を蹴っても力ずくで契約させる気だったんだ

そう確信せざるを得ないほど、話はたんたんと進んでいく







この日から私は吉原グループの犬となった


それからは食事を与えられずに働かされ、本当に死にそうになってから食事が与えられることが普通になってしまった


父さんのためだから…それだけを考えてたくさんの仕事をこなしてきた私の努力の結果はどんどんと私を苦しめていった


会社の経営はうなぎのぼりの一方で下がることは全くなく、吉原グループが私を用無しと手放す可能性は皆無だった



成人になると、私がごく細かなミスをすれば母からの暴力が再度行われた


その生活が続き、思わず外に逃げてしまった私に一筋の光が見えた







それが、リコとの…、相田グループとの出会いだった

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