ワケあり少女は拾われました

２５夜 ページ27

扉を開くと、征十郎が目の前にいた
驚きはしたが表情にださず、そのままでいた



「遅かったね、またあの二人かい？」


『貴方には関係ない。…仕事は？』


「あぁ、沢山溜まってるよ。終わらせようか」


部屋の中に入り山積みの書類をみる
こんな量、溜めてさえなければ征十郎でも直ぐに終えただろうに


私はこの部屋で吉原グループ宛に送られてくる書類を裁いたり、クラブの金銭問題を解決したりしている


所詮私はこの会社の"駒"だ
それ以上でも以下でもない


『集中するから…、征十郎は出てって』


「わかった、終わったら合図するんだよ？」


『今日で終わらすのは無理。3日後の夜、ここに来て』


征十郎はこくりと頷き部屋を出た
勿論、私は今から食事も睡眠も取らずに仕事を終わらせなければならない



こんな生活が何年も続いていたんだ
逃げ出したくもなる


けれど、私はもう逃げない
社長の言う通り…私に自由などないのだから




清志と健介にはこのことを言っていない
だからあんなにも明るく私を送りだしてくれる



考え事はここまでにしておこう
一刻も早く仕事を終わらせなければ……。





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___________お父さんが待ってる。

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