SJ★Ever Lasting…１１★

破壊力 ページ31

次の朝、長電話のせいで寝不足な身体になんとか気合を入れる。

TV局に着くと、先に来ていたマネージャーさんに手招きされた。

ﾏﾈｰｼﾞｬｰ『・・・すみません。今日はAさん、自由時間です』

A『え?自由時間?』

ﾏﾈｰｼﾞｬｰ『はい。局側で用意した通訳さんがいるみたいで・・まぁ、通訳って言うか、プロデューサーの娘さんなんですけど、SJのファンらしくて、断れなくて・・・』

あ、プロデューサーの娘が通訳するから、私は今日はいらない、と・・・。

A『じゃ、挨拶して、私は見学してますね』

ﾏﾈｰｼﾞｬｰ『なんか、すみません』

A『いえいえ』

リハの準備に追われてるスタジオの隅に、綺麗な女の子が立っていた。

ﾏﾈｰｼﾞｬｰ『イーフェイさん。こちら、専属通訳のAさんです』

若くて長身の美人なお嬢さんが、腕を組んで片足に体重をかけた姿勢のまま、視線だけを私に向ける。

ｲｰﾌｪｲ『今日は私が全部やるから、おばさんはいなくていいから』

流暢な韓国語でそう言うと、すぐに視線を逸らした。

・・・・・・おばさん

ショックか怒りか、よくわからない感情に取りつかれて、呆然としてる私に、

ﾏﾈｰｼﾞｬｰ『・・誰にでもあんな感じなんで、気にしないで。Aさんホテルに帰っても買い物してもいいし、ほんと自由に休んでください』

マネージャーさんが小声でそう言った。

・・・仕事ないなら、韓国に帰ってもいいですか・・。

A『あの、チョウミとヘンリーもいるし、簡単な質問とか、台本に書いてることなら、通訳しなくても大丈夫です。あと・・』

ｲｰﾌｪｲ[なんでまだいるのよ。さっさといなくなれ。ばばぁ]

ものすごく早口な中国語で、確かにそう言った。

・・・私、中国語わかりますけど・・・。

カチンと来なかったと言えば嘘になる。いや、大いにカチンと来た!!!

A『・・・失礼します』

私が怒りに震えながらも笑顔でそう言って去ろうとした時、

ﾘｮｳｸ『Aー!!』

ヘアメイクを終えたMメンバーがスタジオに入ってきた。

腕を組んで、横柄な態度だったイーフェイさんが、急に姿勢を正して、笑顔になる。

ｲｰﾌｪｲ『今日は、おばさんじゃなくて、私が通訳します。よろしく』

さっきまでと同じ人とは思えないかわいらしい声。

でもどんな声でも“おばさん”の破壊力は、変わらない・・。

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